白い影 (2001)
Love and Life in the White

脚本/龍居由佳里

http://www.tbs.co.jp/drama_archive/shiroikage/index-j.html


第4話 主治医のミス


--------------------------------------------------------
疲労により倒れた倫子を自宅のマンションへと連れて行き
直江は病院に戻る。爆睡の後、目が覚めると倫子は直江の部屋
から見える景観の美しさに驚く。そこに何者かがやってくる。
覗き穴から見ると三樹子だった。

一方病院では患者・宇佐美繭子が抜けだし、映画の完成披露
パーティーに出席したことが問題となっていた。直江は大の
大人を縛り付けることは出来ないことを告げる。そんな会話
をしているなかで、再び繭子は倒れて救急車で運ばれてくる。
院長は今度こそ他の病院に連れて行くべきだと告げるが、
直江が主張を押し切る形で再び病院で受け入れることになる。
患者と同時にマスコミも押し寄せ、マネージャーは思わず
事態を収拾させる為に病院から会見を行うと語ってしまう。
どうするべきかで医師達は再び会議。マネージャーの大場から
は男性問題には触れずに穏便に済ませて欲しいと告げられる。
直江は大腸下腹部の憩室穿という事にしようという。看護師
たちに口裏合わせする姿を見て、医者が嘘の会見を開くなん
て医師としてのモラルに反するとして小橋は噛みついてくる。
しかし私の患者だとして直江は取り合わなかった。

直江は会見を開く。予定通りの会見。しかし以前から入院して
いた事にするところは、事前に相談のなかった事だった。
見ている関係者は焦るが、既に何人かのマスコミに彼女が病院
に居ることを知られている様だし、下手に隠して面倒になる
よりもこの方が良いと告げる。
完璧な対応にマスコミは病院から徐々に姿を消すが、小橋は
再び直江の元に行き、その嘘で周りが振り回されるとは思わ
ないのかと噛みつく。その会話を度々耳にしていた患者の
次郎は、マスコミに血塗れになり運ばれてきた繭子の写真を
マスコミにばらまく。
--------------------------------------------------------

かなりツッコミ処の多い展開になってしまった。

前々から気になっていたことだが、このドラマ70年代に放送
していたドラマと言うこともあり、現在とはかけ離れた価値観
がドラマの中で存在している。
その最たるものといえば、芸能人に対する世間の視線である。
男性に刺された事が分かれば芸能界での人生は終わると思って
いる風潮があり、70年代の芸能界が異性問題に如何に御法度で
あったのかが伺える。

さて今回は誠実な対応を見せる小橋に対して、常に医師として
の常識にとらわれない直江の行動が目立つ展開だった。
これまでにも患者の治療に対して度々ぶつかってきた二人だが
今回は直江の意図する心情が上手く患者に伝わり、結果的に
二人の患者を前向きにする展開である。

ちょっとこの辺の演出はインパクトが薄かった。
繭子を立ち直らせる為には、倫子を通して間接的に患者の
生き様を褒めていた事を伝えただけだった。
次郎に至っては単なる自殺を防いだ後に殴り飛ばして、"人間
は簡単には死ねない"と語りかけただけである。
自殺に関してもう少し小橋の言葉では助けることが出来ずに
直江の言葉が相手の心を直撃するような内容でもあれば
納得できる話だったが、かなり物足りないものだった。

最後倫子は二人の患者の事を伝えに直江のアパートにいく。
そんなつまらないことを伝えに来たのかという直江に対して、
今日の先生はいつもと違いすぎると訴えるシーンがある。
正直、いつも通りの直江の対応に見えたのは私だけか?
今まで人を突き放して生きてきた彼の対応そのままといった
感じで、倫子は一体直江に何を期待しているのか、実に分かり
づらい話だった。

直江庸介 - 中居正広 (医師)
志村倫子 - 竹内結子 (看護師)
小橋俊之 - 上川隆也 (医師)
行田三樹子 - 原沙知絵 (院長の娘。経理担当)
二関小夜子 - 菊川怜 (製薬会社営業)
高木亜紀子 - 小西真奈美 (看護師)
志村清美 - 市毛良枝 (倫子の母)
岩崎ミツ - 白川和子
石倉由蔵 - いかりや長介 (患者。末期癌)
七瀬隆弘 - 山本學 (直江の恩師)
戸田次郎 - 吉沢悠 (患者。倫子の幼馴染み)
宇佐美繭子 - 吉本多香美 (女優)
大場広之 - 大高洋夫 (マネージャー)
関口鶴代 - 伊佐山ひろ子 (婦長)
行田祐太郎 - 津川雅彦 (院長)

佐々木 - 斉藤暁
鈴江 - 菅原大吉

山口あゆみ、小林美江、榊ゆりこ、小山雄三、水野敬也

大堀こういち、岩本兼一、BOB藤原、大和、栗田真由子

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system