水曜日の情事
a wednesday love affair
(2001年度 10月期・水曜9時枠)

原作・脚本/野沢尚
プロデュース/永山耕三、喜多麗子、平賀公泰
演出/永山耕三、西浦正記、成田岳

http://wwwz.fujitv.co.jp/b_hp/jyouji/index_frame.html


第6話 愛人、壊れる

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今夜は泊まっていって欲しい。
泊まるというのは世間が動き出すまでのことだという操。
そして次の瞬間彼女はこれ以上付き合いたいのならばこれで
奥さんを殺してきてと包丁を地面に落とす。
愛人が壊れ始めたと詠一郎は思う。
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いやぁ凄い展開が続きますね。

特に毎回残り10分間程度の息つく暇もないやりとりは見事。

愛人が壊れているのか、それとも詠一郎が壊れているのか。

愛人の驚くべき行動とは逆に、話をしていると意外と自分を
しっかりと持ち、より理性的に言動を発していることが分かる。
そんなやりとりを聞いていると、上述する愛人が壊れているのか
詠一郎が壊れているのか錯覚を引き起こしそうになる所がまた
良くできているね。

ドラマはメインであるパーティーのやりとりも秀逸だが、
ドラマを通して良くできているのは、一つのテーマを毎回、
妻と愛人にぶつけてその性格の違いを読み取っていく展開だと
思う。

男女の関係に於いて人は思い出だけで生きていけるのか。
勿論この中には愛人としての妥協点が存在していると思うが、
二人の発言の違いは今回盛り込まれた一つのテーマなのかも
知れない。

また完全に脇役であるハコや明洋の使い方も出演時間の少ない
割りにはきっちりと核心を突いていて上手いと感心させられる。
今回はハコの妊娠を通して赤ちゃんの存在が女性にとって
どんな存在なのか、上手くあぶり出されていると思う。

耕作の使い方も上手く、女性陣がこの人の元を訪れると必ず
シュークリームが届くのと同時に腹を探るための展開が用意
されている。

さてメインのやりとりは凄かった。
喧嘩を吹っ掛けたのは操だったが、あいがここまで突っ込んで
くると思っていたのだろうか。
正直あいの問いつめた言葉を即答で否定しない限り、どんな
言葉を使っても言い訳にしか見えない。あの場面で詠一郎が
嘘を付いたとしても、結局問題は先送りにされるだけで、あい
の不安は消えなかっただろうね。

それと今回の操の包丁を取り出すシーンは一見するとドラマを
面白くさせているが、あんまり相手に要求すると当然ながら
引いてしまう展開は目に見えている訳で、何故あんな行動を
取ったのかちょっと理解に苦しむ所がある。もう少し恋愛とは
相手に嫌われまいとする保守的な部分が有るはずだと思うんだ
けどね。

でもこの展開のお陰で、操が佐倉の前で佇むシーンはホラー
映画ばりの怖さが存在したと思う。

佐倉詠一郎(35):本木雅弘 (文洋書店・編集者)
佐倉あい(33):天海祐希 (詠一郎の妻、インテリアデザイナー)
前園耕作(29):原田泰造 (小説家)
岡島明洋(31):谷原章介 (あいの弟)
浜崎由香子(22):伊東美咲 (文壇バー「ソル」。昼間はOL)
小暮志麻子(33):木村多江 (文壇バー「ソル」)
大森年宏(46):田山涼成 (詠一郎の上司)
都山ハコ:金子さやか (明洋の彼女)
平松瑛子:蓼沼千晶
溝口美紀子:林真奈美 (興三郎の妻)
倉木景子:永松恵子
溝口興三郎(55):田村亮 (小説家)
沖野晶午(32):北村一輝 (インテリアデザイナー)
天地 操(33):石田ひかり (あいの親友)

永井佳代子:鶴田倫美 (あいの会社の従業員)
砂川恵介 : 水橋研二

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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