水曜日の情事
a wednesday love affair
(2001年度 10月期・水曜9時枠)

原作・脚本/野沢尚
プロデュース/永山耕三、喜多麗子、平賀公泰
演出/永山耕三、西浦正記、成田岳

http://wwwz.fujitv.co.jp/b_hp/jyouji/index_frame.html


第9話 追憶…会いたい…愛の告白

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耕作のアパートでキスした詠一郎とあい。
帰り道の雨の中をずぶ濡れで帰宅する詠一郎。
入れ違うようにしてあいに面会するのは耕作。あいが涙して
いるのを知り、詠一郎はあなたを捨てた男だとして気持ちを
断ち切らせようとする。
帰宅早々に詠一郎にキスする操は、彼に熱があると指摘する。

あいの家に操がやってくる。
あいの会社に電話して風邪で休んでいる事を知り見舞いに来る。
操は一人暮らししているハズの彼女が沖野晶午と暮らしている
のを知り寂しさはもう大丈夫ねと語る。そして詠一郎と逢って
いるのかと聞かれたあいは、この一年全く逢っていない事を
告げる。その行動を見てあいは探りに来たことを悟る。そして
彼女に一年前とは真逆の展開ねと告げる。
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またしても女性同士の争いが勃発するのか。
詠一郎があいにキスしたのをきっかけに再び恋愛感情は本格的
に再燃し出す。

あいと操の立場を逆にするような展開の妙を感じる話だった。

一年を境にして鏡のように全く逆の立場になっている二人。
しかし正妻だからといって安住できるものは何もないという操
のセリフが印象的だった。

脇役自体の使い方も素晴らしい。
原田泰造がなかなかの適役である事もこのドラマを面白くさせ
ている点だ。
晶午からあいを愛していることを指摘された彼。既に彼はあいの
中に詠一郎が居ることは知っているわけで、それでも尚迷走して
いる所がなんとも言えない。

伊東美咲の役割の可愛らしさも際立っており、8話の展開では
耕作の事をあいに取られまいとして操の店を訪れる場面が
有ったが、今回は耕作に両親と逢うよう懇願する。
喫茶店の中で大声で耕作は私の男だから近づかないでください
と言ってのけたところなんて計算だとしてもとても可愛い行動
だったな。

操はあいの元に行ったときに、あいが詠一郎に逢っている事を
確信する。この辺女性ならではの嗅覚の鋭さだろうか。
詠一郎とあいが同時に風邪を引いた辺りもその要因の一つなの
かも知れないが、一年が過ぎるまでは安心していた操も、
元気を取り戻した詠一郎の姿に違和感を感じたのかもしれない。

操は愛情の中に絶対的なものを求めているという。
体での愛は一生ものではないのでそれ以外の確かなものを求め
る。

最後の展開はまたこのドラマの持つパワーを改めて感じさせた。
詠一郎の指摘する話は全て真理を突いていてやりとりは益々
興味深いものがある。
逢っていないという嘘は何のための嘘なのか。どうして予定を
変えてまで待っていたのか。
気持ちは逢ってもこれまでの操とのドロドロ劇を経験している
と容易に元サヤに戻るのは難しいよね。
一人でじっと詠一郎の影と戦っていた彼女がとても不憫で、
詠一郎の求めてくるものがまた無責任過ぎて、やっぱりこの人物
を好きになれない感じだ。

佐倉詠一郎(35):本木雅弘 (文洋書店・編集者)
佐倉あい(33):天海祐希 (詠一郎の妻、インテリアデザイナー)
前園耕作(29):原田泰造 (小説家)
岡島明洋(31):谷原章介 (あいの弟)
浜崎由香子(22):伊東美咲 (文壇バー「ソル」。昼間はOL)
小暮志麻子(33):木村多江 (文壇バー「ソル」)
大森年宏(46):田山涼成 (詠一郎の上司)
都山ハコ:金子さやか (明洋の彼女)
平松瑛子:蓼沼千晶
溝口美紀子:林真奈美 (興三郎の妻)
倉木景子:永松恵子
溝口興三郎(55):田村亮 (小説家)
沖野晶午(32):北村一輝 (インテリアデザイナー)
天地 操(33):石田ひかり (あいの親友)

永井佳代子:鶴田倫美 (あいの会社の従業員)
砂川恵介 : 水橋研二 (あいの会社の従業員)

坂西良太

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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