相棒
警視庁ふたりだけの特命係
(2002年度10月期・テレ朝)

プロデューサー - 松本基弘、香月純一・須藤泰司・西平敦郎
脚本 - 輿水泰弘(1)(2)(5)(8)(11)(12)
櫻井武晴(3)(4)(7)(10)、砂本量(6)(9)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_01/


第6話 死んだ詐欺師と女美術館長の指紋

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秋山緑風記念美術館に"光る風の少年"を見に来た右京。
かつてロンドンに居た頃、感銘を受けた作品で楽しみにしてい
たものだが、館長の菊本マヤによると惜しみつつも売り払って
しまったという。

一方薫に金を借りていた情報屋の男・土田雅夫が特命係にやっ
て来て、南急百貨店で購入してきた煎餅と共に、金を返しに
来る。土田はそれだけに留まらず、金が入ったので薫に奢りた
いとして焼き肉店に連れて行くも既に店は閉店し、そこには
"髭と薔薇"というゲイバーが建っていた。なんとそのゲイバー
はかつて目撃者として証言してもらった事のあるヒロコママが
経営する店。ヒロコは以前より薫を気に入っており、彼を
店に案内する。土田はそこで健太という息子を元妻から引き
取りたいとして6歳になった息子の写真見せる。

その四日後、死体のポケットに薫の名刺が入っていた為に、
伊丹らに現場に呼び出される。亡くなったのは土田であり、
薫にとって良い付き合いをしていた人物だけにショックを
隠せないで居た。ナイフで心臓を一突きされ亡くなったという。
財布が無くなっている事から強盗目的かに思えた。手には
息子の写真が握られていた。

右京に土田との出会いを語る薫。かつて受験生が受験のミス
から人質を取る騒ぎが起こったときに無謀にもナイフを持つ
犯人の前に飛び出して言った男性が土田だという。

そんな中、二課の太田刑事がやってくる。土田に詐欺容疑が
かかっているというのである。MMフィナンシャルの元に取引先
を偽り振込の電話を掛けて架空口座に入金させたのだという。
しかもその額は1億5千万円。
薫はそんな事をする人物ではないと訴えるのだが、明和銀行
の防犯カメラには確かに架空口座から引き出す土田の映像が
映っていたのだった。
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さて今回は無職ではあるが気の良い情報屋の土田が殺害される。
悪い奴には見えないが、それは単なる薫が彼の素性を知らなか
っただけなのか?

ドラマとしては上手いこと、薫に返した金の存在があったこと
も有り事件解決に導かれる。
まさか美術館の人間が関わっているとは思わなかったが、
全く接点の無さそうな美術館と土田の間にはどんな繋がりが有る
のか。

柿崎と菊本、そして土田。一見繋がりそうもない人たちだが、
柿崎の携帯電話の待ち受け画面から、柿崎と美術館に繋がり
が有ることが描かれ、そして土田の所持していた金の指紋から
土田と菊本の繋がりが見えてくる。

美術館は土田親子にとって思い出の場所。

次第にドラマが展開していく毎に、関係の無さそうだった
美術館館長の菊本に話の矛盾点が出てきたこと。
やっぱり嘘はつけないものだねと思わせるところがとてもよく
出来ていた。

銀行の振り込み詐欺についても、罪を犯したことのない土田
にしてみればやけに犯罪に熟知している方法で金を振り込ま
せた巧みな手口であり、素人では難しい事が描かれる。

南急百貨店の袋から出てきた指紋が決定的な役目を果たした
訳だが、最近袋が変わったものだとする辺りには正直説得力は
感じないが、それでもこの袋がドラマとしての肝で有り、
上手く証拠物件に結びつけたなと思う。

父親の作品を思う気持ち、そして殺害した土田がそんな父親
の作品に対してどのような気持ちを持っていたのかを描くところ
などは相棒らしく上手いまとめ方だったと思う。
杉下右京 - 水谷豊 (キャリアの刑事)
亀山薫 - 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 - 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき - 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 - 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 - 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 - 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 - 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 - 片桐竜次 (警視長)
中園照生 - 小野了 (警視正)
小野田 公顕 - 岸部一徳 (警察庁/警視監)
西肇 - 六角慎司 (捜査第二課員)

大木長十郎 - 志水正義
小松真琴 - 久保田龍吉

土田雅夫 - モロ師岡 (元商社マン)
菊本アヤ - 根岸季衣 (秋山緑風記念美術館館長)
柿崎 - 田邉年秋 (MMフィナンシャル・融資課長)
太田 - 中根徹 (捜査二課(詐欺担当部署))
ヒロコ - 深沢敦 (オカマバーのママ・以前にも登場)
土田の元妻 - 吉宮君子 (息子・健太を失う)
国松 - 尾道凛 (美術館・学芸員)

下塚誠、八百原寿子、野村貴志、金山侑生、齋藤裕磨
伊藤拓也

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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