相棒 〜警視庁ふたりだけの特命係〜
(2002年度10月期・テレ朝・シーズン1)

脚本:櫻井武晴

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/


第7話 殺しのカクテル

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カクテルバー"リメンバランス"でバーテンダーをする三好倫太
郎はこの日、飲食チェーンでこの店のオーナーである倉沢正に
カクテルを出す。これを飲んでもダメなのか?という三好に対し
て、こちらも死活問題だからという倉沢。そんな彼に三好は
背後からナイフに一突きする。

美和子と薫は彼女が遅刻したことを薫が問い詰めて大喧嘩に
発展。美和子はケツの穴の小さい男だと薫に投げかけ、荷物を
まとめて出て行ってしまう。出ていった後にすぐにドアのチャ
イムが鳴ったのを知りもう帰ってきたのかと呆れる薫の前に、
見知らぬおばさんの姿が有った。彼女はアキコ・マンセル。
美和子の叔母さんでイギリス人と結婚してロンドンに住む人
だった。

翌日、オープンカフェで食事を取る右京に声を掛ける米沢。
米沢の元へと歩み寄ると、事件が発生したという。捜査本部が
北築地署に置かれる。被害者は都内10店舗を持つ飲食業・倉沢
チェーンのオーナー・倉沢正。背中から大動脈を一突きされて
亡くなったという。外食チェーンの不信により倉沢チェーンも
殆どの店舗が赤字で、唯一リメンバランスというカクテルバー
だけは黒字だったという。店のオリジナルカクテルを缶入りで
売る計画も上がっており、まさに安泰といった様子の店舗で、
伊丹はこの店だけは捜査対象外にしても大丈夫だと告げる。

右京は倉沢の事務所を訪れると、スタッフの女性から5つの缶入
りカクテルを作る予定だったと聞かされる。特にホームスイー
トホームと呼ばれるカクテルがお勧めだという。
右京はその足で、このカクテルを作る"リメンバランス"へと
そのカクテルを飲みに行く。

一方薫は朝からおばさんに振り回される。イギリス暮らしの彼女
にパンを焼いてあげるが、自分はご飯を食べると言われて炊き
直し遅刻するハメに。帝都新聞社にいき美和子に事情を話す。
おばさんは夫のアルバートが亡くなったのを機に日本に来て
思い出の店に行きたいのだという。

右京はバーのオーナーにホームスイートホームを作ってもらう。
卵と牛乳を入れた珍しいカクテル。これは夫婦ゲンカしていた
客を家に帰すために作ったのがきっかけだという。
つまりワンフォーザロードだという右京。カクテルにはみんな
それぞれにドラマがあり思い出があるという。客が話をしたこと
を形にするのがバーテンの仕事。カクテルは自分だけで出来る
ものではないという。記憶ではなく記念という事で"リメンバラ
ンス"という店名を付けていた事を知る。右京はそんな思い出
を缶に入れて売ろうとしていたのですねと呟く。

美和子と薫はおばさんと一緒に銀座の店を回る。
30年前にピアノが有ったレストランバーだという。決して潰れ
るような雰囲気の店ではなかったことを告げるが、この店も
おばさんが探している店ではなかった。夫と出会い一緒に飲んだ
カクテルが忘れられないと涙ぐむおばさんに薫は必ず見つける
という。おばさんは嘘を付いたら死ぬわよとジョークで脅かす。

右京は米沢に会い、被害者の解剖結果を見せて貰う。すると
被害者の体内からアルコールと梅干しとペハーミントが検出
されていた事を知る。恐らくカクテルだと踏んだ右京は三好の
元に行き、これらミックスのカクテルは無いのかと尋ねる。
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梅干しとペパーミントのカクテル

遺体の体内から検出された事で犯人を特定していくわけだけど
厳密に言うと、犯行の立証とは言えない部分があったな。
30年前の銀座時代に出来た"ベストパートナー"と名付けられた
カクテル。レシピとしては、イギリス産ジンをベースに、グリ
ーンミントと日本の梅干しを混ぜるというもの。

米沢を買収する右京

この時から既に寄席が好きだった事が描かれていたのね。
プレゼントしたの"末廣亭"のチケット。今月末までの有効期限
故に米沢に早い解決を求める意図も存在した。

容疑者を疑うようになったきっかけ。

バーテンダーが爪を切っていないという現実を目の辺りにした
ことから全てが始まった。確かに爪を切っていない飲食業の
人に料理を作らせたら気持ちが悪いものね。

三好倫太郎のプロ根性

罪を逃れるためにはこのカクテルの存在を否定しなければならず
かといって、30年前の思い出に思いを寄せる女性を目の辺りに
して無視できないような状況。この辺の駆け引きはとても面白い
ものがあり、このキャラクターにも奥深さを与える結果となった。

殺害の動機

カクテルが缶に入れられて売られるのを拒むためのもの。
このカクテルバーだけは黒字で経営していたので、他の店舗の
しわ寄せを喰らうことになってしまった。

遺体が発見された場所こそ事件解決に重要なヒントだった。

その場所は30年前に三好が移転前にカクテルバーを開いていた
場所。その頃倉沢と出会ったのだろうか。

この話の続編

シーズン6の14話「琥珀色の殺人」で再び出所後の三好倫太郎の
姿が見られる。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

三好倫太郎 …… 蟹江敬三
アキコ・マンセル …… 草村礼子

和田周、佐々木誠人、森崎めぐみ、研丘光男、堀越富三郎

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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