相棒 警視庁ふたりだけの特命係 (2002年度10月期・テレ朝) プロデューサー - 松本基弘、香月純一・須藤泰司・西平敦郎 脚本 - 輿水泰弘(1)(2)(5)(8)(11)(12) 櫻井武晴(3)(4)(7)(10)、砂本量(6)(9) http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_01/

第8話 仮面の告白
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11月5日に杉並区の阿佐谷で職務質問した男性・黒岩繁につい
て、彼がバッグの中にモンスター強盗で使われるようなマスク
を所持していたため、任意で交番に連れて行き、やがて4件の
強盗事件として捜査に切り替える。
伊丹らが取調室で自供を引き出し起訴に持ち込んだ事件だった。

裁判所で宣誓させられる薫。犯人側弁護士は捜査の過程で違法
が有ったことを主張する。薫はバッグの中身を見るときに
黒岩の了承を得なかったこと。任意で連行するところを強引に
連れて行ったこと。取調室でも暴行によって無理矢理自供を
引き出されたとして、あばら骨が折れた写真を提示してくる。
全ては不当な捜査の元で出た自供であり無効であることを
訴える。結果として判事を無罪判決を出す。検察は控訴する
かに思えたが、決定的な証拠が有るわけでもなく、このまま
裁判をしても不利な状況は変わらないとして控訴は断念する。

黒岩は控訴を断念したと言うことは一事不再理の原理に乗っ取
ってこの件は二度と問われることは無いのだろうと告げ、
弁護士である武藤かおりに感謝を示す。

薫は彼が警察署から出て行くのを無念の思いで見つめる。
薫は武藤弁護士に対して、結果的には先生が犯人を野放しに
したことになるとして責めるも、杜撰な捜査で起訴するのが
悪いのであり、あくまで弁護士として弁護人の権利を守った
という彼女は一歩も引かなかった。
しかし武藤は黒岩が最後に先生に巡り会えて良かったという
言葉が気になっていた。
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判決は無罪だが本当に犯人ではないのか。
被害者に一人一人面会し、犯行現場を一つ一つ回っていく右京
に対して、薫と伊丹と一緒に黒岩の動きを尾行し張り込みする。

犯行の方法は毎回同じだが、テープの巻き方が右巻と左巻の
時がある。更に犯人はマスクを被っているのに何故口だけで
なく目隠しするようにガムテープを貼るのか。

共犯者が居るという辺りの推理は、検証の結果上手く導いた
案件だと思う。ただし犯行に関わっていたという証拠が無く
推論だけで自供に持ち込む流れで少々心細いドラマだった。

しかし今回の目的は今後も登場するであろう武藤弁護士の
キャラクター性を描いた話なのかも知れない。
弁護士は依頼人が犯人だと分かっていたも権利を守るために
戦う難儀な職業であること。全ての責任はあくまで証拠を
固めて犯人へと導くことのできない刑事であり検察であり
判事にあるというもの。

法律のデリケートさ刑事たちに説く辺りはこの辺の矛盾的な
現実に対する憤りなのかも知れない。

尾行している中で5件目の犯行が起こってしまった。
しかしその目的は尾行している中でモンスター強盗が出没した
事を示すためのものであり、これまでの犯行を踏襲していない
点が事件を解決に導く。
しかしこの展開だけでは正直、黒岩が教唆していることを証明
するものが皆無であり、もう一人の犯人が見つからない限り
黒岩を捕まえるのは無理だろうね。

それにしても今回は珍しく薫と伊丹がタッグを組んだ。
単なる張り込みの一場面だけど、パンを貰うにも面倒くさい
やりとりがあるんだよね。金は払うけど足りないという辺りが
笑えた。

杉下右京 - 水谷豊
亀山薫 - 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 - 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき - 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 - 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 - 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 - 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 - 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 - 片桐竜次 (警視長)
中園照生 - 小野了 (警視正)
小野田 公顕 - 岸部一徳 (警察庁/警視監)
西肇 - 六角慎司 (捜査第二課員)

大木長十郎 - 志水正義
小松真琴 - 久保田龍吉

武藤かおり - 松下由樹 (弁護士)
黒岩繁 - 長谷川朝晴 (モンスター強盗)
宮城義之 - 松山鷹志 (検察官)
ミカ - 三鴨絵里子 (被害者。ハイヒールで犯人を蹴る)

加藤四朗、西沢智治、金澤貴子、野貴葵、木村方則

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)