相棒
警視庁ふたりだけの特命係
(2002年度10月期・テレ朝)

プロデューサー - 松本基弘、香月純一・須藤泰司・西平敦郎
脚本 - 輿水泰弘(1)(2)(5)(8)(11)(12)
櫻井武晴(3)(4)(7)(10)、砂本量(6)(9)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_01/


第10話 最後の灯り
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薫は気がつくと海岸沿いの道で傷付いて目が覚める。
自分は何をしているのか?
砂浜に目をやると右京もまた傷付いた姿で海を眺めていた。
一体何故二人がここに傷付いた姿で居るのか?

二日前、美和子は映画「チャイルドハンター」を撮影した仲瀬古
監督にインタビューを行う。この映画は衝撃的な内容で、特に
暴力の表現が社会に影響を与え、模倣犯が世間を賑わせていた。
近くにはスクリプターの須磨と電飾の猪野も居てインタビュー
を聞いていた。猪野はコーヒーを差し出そうと美和子と監督に
コーヒーを渡そうとするが、猪野は監督に渡そうとするときに
監督の足元にコーヒーを零してしまう。急いで床を拭くが、
猪野は仕事のために外へと出て行く。

インタビューは中断されるが、録音していたデータはそのまま
現場の状況を録音し続けていた。
インタビューを再開させようとする時、一瞬室内の電気が消え
てしまう。すぐに須磨がブレーカーを操作し電気を付けるが、
僅か10秒程度の間に仲瀬古監督は亡くなっていたのである。

右京と薫はすぐに共映東京撮影所にくる。
伊丹達が既に現場を取り仕切り嫌がられる中、美和子から話しを
聞く。そして米沢が検死結果をもってやってくると、死因は
窒息死だと判明する。

当時室内にいたのは、監督の他に美和子と須磨だけだった。
須磨は映画が放映された後、息子を映画を模倣したやり口で
息子を入院させられていたことが判明。監督を恨んでいたのでは
無いかと追及されるが、それを否定する。

一方検死解剖が進み、体内からは毒物は一切検出されなかった。
外傷もなく捜査は病死として処理され、事件性は無いものかに
思われた。
死体が窒息死に見える為にはどんな方法があるのか?
右京は一年前に京都の浴槽で窒息死して亡くなった事件が有った
事を思い出す。京都府警には角田課長の実兄が勤務している
事を知り話しを聞いて貰う。角田は婿養子に行った兄は嫌い
だとして協力を拒むが、なんとか説得し資料を取り寄せると
電気のついたドライヤーが浴槽に落ちていた事を知る。
普通は皮膚に電流斑のようなものが出来るが、家庭用の交流電源
の場合に限ってはその印が皮膚に現れない場合がある事を知る。

右京と薫と現場検証の時に撮影された現場の写真を持って
現場に行く。すると土足の部屋に何故かカーペットが置かれて
居ることに気がつく。何故カーペットが有るのか?
そんな中、スタッフの佐竹と須磨が言い争いしているのを目撃
する。監督の部屋にあった電気カーペットは須磨が監督のために
プレゼントしたもので、それを勝手に捨てた事に怒っていた
のである。あの場所は監督の指定席だった事を知る。

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右京と薫が何者かに襲われる

ドラマでは過去に遡ってその原因を思い出していくような段取り
で進行する。
一体何故襲われたのか。そしてどんな事件を扱っていたのか。

どのような方法で殺害されたのか

被害者に外傷はなく毒物も検出されずに窒息死で有ったこと。
わずか10秒程度の間に窒息死することなど有り得るのか。
ドラマでは感電する事で窒息死と似たような状況になるとして、
当時感電する物が無かったかどうかを調べていく。

土足の部屋にカーペット

カーペットを使って人を感電させることが出来るのかどうか。
電気の知識が必要だと言うことで、電飾さんが疑われることに
なる。
今回の事件は冒頭から犯人があからさまだったような話だった
かな。

捨てられたカーペットを探しているウチにスタンガンで襲われる

右京達が海岸に放置されている理由へと繋がっていく。
薫が足を負傷している右京を背負っていく所が不思議な光景だ
った。
それよりも警視庁に戻ってきた右京の元にやってきた米沢の
顔が妙に近いところが笑えた。

電飾の猪野と監督の仲瀬古は30年の仲

何故彼が監督を殺さなければならなかったのか。
これは自白されるまで分からない様な作りだった。
監督からサインして貰うときに、名前を覚えられていなかった
事。時々サスペンスドラマの動機になってしまうけれど、
名前一つで犯行に及ばせてしまう関係がちょっと寂しい。
普段の態度で有る程度、相手の信頼の形が分かると思うんだけど
ね。
男女の愛の形として、時に言葉にしてくれなければ気持ちは
伝わらないとするけど、そんな心情が有ったのか。

ミスリードを誘発する余地がない

殺す動機のある人が少なすぎたかな。
もうちょっと監督自身が我が儘だったり、色々と狙われる動機
が有るとドラマとしても盛り上がったかも知れない。

ただこのエピソード、「相棒」ファンからは評判の高いシナリオ
だったりするからね。


杉下右京 - 水谷豊
亀山薫 - 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 - 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき - 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 - 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 - 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 - 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 - 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 - 片桐竜次 (警視長)
中園照生 - 小野了 (警視正)
小野田 公顕 - 岸部一徳 (警察庁/警視監)

大木長十郎 - 志水正義
小松真琴 - 久保田龍吉

猪野大 …… 山谷初男 (電飾)
仲瀬古永次 …… 鈴木瑞穂 (監督)
須磨玲子 …… 銀粉蝶 (スクリプター)
佐竹信 …… 福本伸一 (スタッフ)

前沢保美、田村三郎、高月忠、石田哲也、志水正義、堀本能礼
吉田祐健

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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