ブラックジャックによろしく
(2003年・4月期/TBS)

脚本/後藤法子
演出/平野俊一・三城真一・山室大輔
プロデュース/伊與田英徳

http://www.tbs.co.jp/bj4649/


第6話 小さな命


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永禄大の医師達からは辞めた方が良いのではないかと嫌みを
言われる中、英二郎は三つ目の研修先である新生児集中治療室
へと行くことになる。とはいえ、英二郎は自ら志願したのでは
無く島流しの状態で教授の高砂が受け入れた格好だった。
そんな朝、英二郎は大遅刻。
高砂からも嫌みを言われるモノの、ここ二年間研修医が来て
居ないだけに先生は喜んでいると看護師の皆川由紀子から告げ
られる。
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医局同士の対立や教授との葛藤からは離れて、今度は
新生児として生まれてきた未熟児と、現実から目を背ける
親との橋渡し役を買って出る様な話。

冒頭からカオリがドキっとするセリフを発する。
"ここは人間の領域を踏み越えた場所かもしれない"との事。
それが一体何のことなのか。有る意味身震いしながら見ること
になる。

色んな複雑な事情が存在する。
患者は不妊治療で五年間戦ってきた夫婦であり、ようやく授か
った子供であること。そんな二人が期待していた子供とは違う
という事で、"死なせて欲しい"と訴え出ること。
夫婦も馬鹿じゃない。田辺秀勝は弁護士と言うこともあり、
誰よりも死なせることなんて出来ない事は承知している事だと
思う。そんな彼から発せられる言葉だけど、障害を負った場合
子供にとって幸せな人生だと思うかと、完全に責任を転嫁した
様な発言は流石に無責任としか思えない。

新生児と対面する親はみんながみんな笑顔ではないという現実
がこの場所を物語っている。
生んだ親さえ見放すような子供と、無責任にも死なせて欲しい
と告げる親をどうやって繋げていくのだろうか。

出久根が親と喧嘩して飛び出してくるシーンを挿入し、親子
関係の一つの形を描いたわけだが、喧嘩できる分幸せだと
いう展開がなんとも寂しい。

しかしドラマとしてはキャスティングが絶妙だと思う。
医局の争いに関心無さそうな笑福亭鶴瓶と、人当たりの柔らかさ
を備える国仲涼子が看護師の役だ。

斉藤 英二郎(妻夫木聡)永禄大学卒の研修医
皆川 由紀子(国仲涼子)新生児集中治療室(NICU)の看護師
赤城 カオリ(鈴木京香)手術部勤務の看護師
出久根 邦弥(加藤浩次)斉藤の同期。5浪の末合格
牛田 克雄(杉本哲太)誠同病院の勤務医
宗形 正臣(松尾政寿)開業医の息子
椿 理沙子(綾瀬はるか)看護師
田中 恵美(今井陽子)

春日部 一郎(伊東四朗)永禄大学医学部第一外科の教授
金子 明子(泉ピン子)遺族
白鳥 貴久(三浦友和)斉藤の第一外科の指導医
服部 脩(緒形拳)天生会誠同病院・院長

久米 憲一(甲本雅裕)斉藤の第一内科(循環器科)の指導医
川上 寛(浅野和之)外科医
宮村 和男(ガッツ石松)酒屋を経営
斉藤 トモ子(浅茅陽子)英二郎の母親
藤井 義也(石橋凌)心臓外科医の教授
北 三郎(原田芳雄)南林間病院の心臓外科医
鳥 一郎 (神保悟志)北の後任の心臓外科医

高砂 春夫(笑福亭鶴瓶)新生児集中治療室(NICU)の医師
田辺 秀勝(吉田栄作)弁護士
田辺 佳子(横山めぐみ)双子の子供を出産

安富 良之(鹿賀丈史)小児科医
内海 まどか(伊東美咲)
児玉 典子(藤谷美紀)膵臓がんの患者
庄司 直樹(阿部寛)斉藤の指導医
宇佐美 孝志(石橋貴明)第四外科の医師
辻本 良江(薬師丸ひろ子)膵臓がん
辻本 正志(梨本謙次郎)良江の夫
川渕 清司(古谷一行)第四外科の教授

飯田基祐、瀬戸陽一郎、窪園純一、てらだちなつ、根本貴美子
池田幹、大野英憲

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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