相棒 シーズン3

脚本/輿水泰弘

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_03/


第5話 女優〜後編〜
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右京達はトイレで脚本家・古谷彦六が書いていたシナリオの
メモ書きを目にし、今回の一件がこの脚本通りに行われた犯行
である事を知る。すぐに夕月と松永の元に行き、とてもこれら
が偶然とは思えないと問い詰める。返答に答え倦ねていると
夕月が会話に割ってはいる。私達はこれから結婚するという。
そんな私達が古谷の事を殺すと思うか?と。そもそもそんな事
をすれば真っ先に疑われるのは私達なのに、そんな馬鹿なことは
しないという。
右京はトイレを拝借する間、薫は夕月にあの夜の涙はなんだった
のかと問い詰める。愛するものを失った涙だと思っていたが
そうではなかったのかと。夕月は今でも心情的には私が強盗と
争ったせいで夫が亡くなったと思っていると告げ、後悔やすま
ない気持ちに押しつぶされそうだと語る。

右京は夕月にトイレのメモ書きを見たことが有るかと問うと、
夕月は見たことは無いと告げ、あのトイレは古谷専用のもの
だったので立ち入ったことは無いと告げる。右京は壁紙を変えた
のは夕月だと思っていることを告げ、その根拠としてメモは
何重にも貼り合わせた跡があったこと、そして一番上のメモ
書きにはまだ書けるスペースが有ったこと。そんな状態で古谷が
壁紙を貼るとは思えないことを語る。原稿も恐らく夕月が処分
したハズだと告げ、原稿を読んでいたのならば結末が知りたか
ったと語る。

右京と薫は新しい恋人が出来たために内縁の夫を殺害したのか?
と仮説を立てるも、確かに疑われるのを承知で結婚宣言するのも
不自然だと語る。

古谷邸をもう一度調べることに。
なんとか夕月がトイレに入った証拠でもないかと探す。
右京は薫に、私が見つけても見つからなかったモノを貴方が
探しても時間の無駄だと挑発的な言葉を投げかける。
すると薫はトイレのスリッパに髪の毛が付着しているのを見つ
ける。確かに女性モノの髪の毛である事から、一度もトイレに
入ったことがないとする彼女の証言が嘘で有る事が分かる。
すぐにそれを問い詰めに夕月の元を訪れ、比較するために髪の毛
の提出を求める。そして嘘をついたのには、それ相応の訳が
有るはずだと告げ、それが何か分かるまで問い詰めることを
語る。
夕月が提出した髪の毛は、トイレに落ちていたものと同一人物
のものである事が発覚する。

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流石に右京も手詰まりか?

まさかのあぶり出し作戦。
ちょっと法律ぎりぎりの所を行く作戦に、驚かされるものだった
けど、この方法で夕月にトイレの壁紙の張り替えを認めさせる
事よりも、右京と薫の関係を揺るがす事態になった事が興味深か
ったな。

奇跡でなければインチキだ

トイレから都合良く出てきた髪の毛の証拠に対して、米沢が
言った言葉だ。まさかの右京の打開策。嘘を付くだけの理由が
有ると直前に夕月に語っていたけど、まさにこの一連の展開
にもその言葉が皮肉的に響くものだった。

薫と美和子の関係

当然ながらまだまだ関係が改善されることはない。
しかも今回は薫の部屋の合い鍵を美和子が返すことで、また一歩
状況が悪くなってしまった。しかしラストで薫が美和子との
関係が如何に大切だったのかを思い返す辺り、新たな展開が
期待できそうだ。

松永は上手く警察を挑発する

若い芹沢慶二がその手に引っかかってしまった感じ。
任意で事情聴取される松永が激しく殴られた姿でマスコミの前に
現れたことで、相当警察へのバッシングが報道されそうだけどね。
トイレ掃除だけで済まされたのはある意味ラッキーだと思う。

今回のポイントは、夕月の取った行動

古谷との関係に於いては内縁の関係を続けていたのに対して、
マネージャーの松永とは結婚するという事。
古谷と何故結婚しないのか?と尋ねた際に彼女は、紙切れ一つで
束縛されるような関係を否定していたにもかかわらず、松永とは
そんな関係を結ぼうとしている。

戸籍謄本からそれらの事情が明らかになっていく。

殺人トリックは、古谷に対する怨み

女優という事の意味が一連のドラマの中で面白く浮かび上がって
くる内容だった。古谷と夕月の関係はなんと親子だったという。
2歳の時に両親は離婚。父親は死んだと聞かされてきた夕月だった
けれど、偶然にも役者を目指し、役者の講師だった彼と会って
しまった事が全てだった。

しかし古谷はいつからその事を知っていたのだろうね。
履歴書を見て気がついたのだろうか?まぁ母親とはそっくりの
顔なので、気がつかない訳はないけどね。

小野田の計らい

最後に木佐貫に対して、首相秘書官の座を用意して右京達の
処置を取り下げて貰う。
二人が一緒に荷物を運んでくる所は、立派な相棒って感じだっ
たな。


杉下右京 …… 水谷豊
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田 公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義
小松真琴 …… 久保田龍吉

小峰夕月 …… 羽田美智子 (女優)
松永慎二郎 …… 岡田浩暉 (マネージャー)
古谷彦六 …… 深水三章 (脚本家、夕月の夫)
木佐貫功 …… 陰山泰 (主席監察官)
海音寺菊生 …… 竹中直人 (麹町東警察署・課長)
署長 …… 森下哲夫 (麹町東警察署・署長)
轟 …… みのすけ (TVプロデューサー)

久保田莚子、九里美保、潮見諭、永井努、桝谷裕、鎗田千裕


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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