大奥 〜第一章〜
(2004年度版)

脚本/浅野妙子
出演/松下由樹、高島礼子、瀬戸朝香、西島秀俊、星野真里
木村多江、金子昇、鷲尾真知子、山口香緒里、久保田磨希
小松みゆき、かとうあつき、山田明郷、末永遥、雛形あきこ
福本清三、伊藤正之、北村一輝、木下ほうか、遠山景織子
紅萬子、出光秀一郎、永山たかし、前川恵美子、ひふみかおり
本宮泰風、神保悟志、榊英雄、上田雄大、杉崎真宏、浜田学
峰蘭太郎、柴田善行、三星登史子 、渡辺万也、京野ことみ
野波麻帆、渡辺いっけい、宇津宮雅代、 梶芽衣子、藤田まこと

http://wwwz.fujitv.co.jp/b_hp/oh-oku/


第2話 捨ててられた若君〜愛に飢えた者たちの悲壮な決意


竹千代が歩みを始め、おふくは喜んだ。そこへ、お江与が
現れた。おふくはあわてて駆け寄り、それを報告するが、
お江与は「世継ぎは竹千代とは限らぬ」と言い放つ。にこり
と笑みを浮かべたお江与は「わらわは身ごもったのじゃ」と
勝ち誇ったように続けた。おふくは、「おめでとう御座います」
と取り繕うが動揺は隠せなかった。その晩、おふくは、お江与
の流産を祈祷するのだった。
 だが、生まれたのは男児・国松。将軍家跡取り問題がくっきり
と浮かび上がった。

二代将軍秀忠の正室であるお江与から二人の男子が授かる。
一人目の男子・竹千代は乳母が育てることになり、二人目・国松
からはお江与自ら育てることが許される。お江与の態度はあから
さまに二人のわが子の間に対応の差を見せ始める。

同じ母親の子から生まれたのに、子供は自らの手で育てない
と愛情が生まれないモノなのか。

慣例通りならば長男に自然と跡継ぎの権利が与えられる。
しかし自分で育てぬ者は切り捨て、自分で育てた次男を夫に
取り入ってなんとか跡継ぎに育てようとする。

竹千代と国松の間にも自然と隔絶する雰囲気が出ているところが
気の毒。絵筆を巡る争いは、それを象徴する場面。
長男の絵筆を使おうとする次男。しかし長男は母親からもらった
数少ないプレゼント故に、貸すことさえも拒む。

ドラマとして面白くなったのは、大御所家康の配慮により、
元旦那とその子供が慈悲によって役職を得た点。

ただこの配慮のお陰で乳母であるおふくとその子供・稲葉正勝
との間でも新たな葛藤が生まれてしまう皮肉。
親子の縁を切ったとして決して自分の子供に甘い顔を見せない
姿。母親と言うことも許さず、触れることも許されず。
激しい信念の前には親子の情も吹き飛んでしまう感じだ。

正勝は側役を命じられた様で今後共に乳母である実母と
お江与の因縁を目の前で見守らねば成らず、とても苦しい
役どころが続くと思うが、いざというときおふくを助けて
くれそうな気もするので心強いかな。

離縁した理由をお江与に探られ、夫・正成または息子・正勝
から情報が漏洩。一つおふく叩きの名目を与えてしまった。
こんな嫌がらせをさせられれば、闘争心にも火がつくかな。
しかし当の本人である竹千代は実母から、生まねば良かった
とまで言われてしまい、心を痛めて自殺未遂。こんな子供に
自殺を考えさせる程追いつめるのだから相当な面の顔の厚い
人だなと思う。

おふく(春日局) … 松下由樹
お江与 … 高島礼子
お万 … 瀬戸朝香(5話より)
徳川家光 … 西島秀俊
お玉 … 星野真里
孝子 … 木村多江
    *
お楽 … 京野ことみ(6話より)
お夏 … 野波麻帆(7話より)
    *
徳川秀忠 … 渡辺いっけい
朝比奈 … 梶芽衣子
徳川家康 … 藤田まこと

guest
柴田善行、岡田和範、井上紀子、須賀健太、長島弘宜
上篠誠

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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