15歳の娘が不治の病である事実を家族である陣内孝則に知らされる
話しであり、母親・薬師丸ひろ子も含めて、病気の事実を
知って受け入れるまでの葛藤を描いた話しであった。

病気のことは誰よりも病気にかかっている人こそ分かっていると
言ったように、病気の進行を知らせる合図をいくつもの場面で
演出に加味し、否が応でも沢尻エリカの体に直接体感させて、
そんな事実を知らせるまでの下地を作った話しでもあった。

学園生活が楽しく描かれれば描かれるほどに、その裏で進行して
いる病気の事実が重くのし掛かり、ドラマ「世界の中心で愛を
さけぶ」と同様に、全く同じ病気にかかっている患者を登場させ
る事によって彼女の心細い未来を暗示した。

成海璃子の存在は実に面白い。
飼い犬を使ったエピソードでは、沢尻エリカが連れてきた犬が
すんなり両親に受け入れられた事により不公平感を感じている。
病気にかかって周りから優しくされる事を短絡的に羨ましいと
思う現実の裏には、こうした病気の現実が待ちかまえており、
それを知った後の態度にどのように変化が訪れるのか。

連れてきた犬は「がんも」となってしまった。
動物の名前には食べ物の名前を付けると何故かより可愛く
思えてきてしまう。


今回は指揮する沢尻エリカがとても可愛かったです。

評価：★★★☆☆