病気になり全てを奪われていく中で親友の存在と不安な将来に
ついて模索する話。

病気が発覚して以来、全ての希望が奪われていく中、
贅沢を言わずただこの場所にいるだけという願えさえも奪われ
ようとしている。しかしそんな中でも変わらずにいる親友の存在
や自分の居場所を確認する様に、古びた学校の軋む床の音を確か
める沢尻エリカが実にいじらしい感じ。

それだけに些細な考えの違いで親友・小出早織との関係がぎく
しゃくするも、和解し車椅子の沢尻エリカにミサンガを渡す
シーンはとても感動する流れだった。

今回同じく障害者の娘(大西麻恵)を抱えるかとうかずこが出てきた。
今では一日でも早く養護学校に通わせるべきだったという母親
の話は、現在普通の子と同じ様な生活をさせたいとして最後の一線
で粘っている沢尻エリカと薬師丸ひろ子の立場を否定するようで、
今後の行く末を示唆している様にも見える。
実に複雑な思いにさせてくれるのだが、障害は不幸ではなく不便で
あるだけだという前向きな考えを持つ大西麻恵の話を聞く限り、
それ程暗黒の未来でも無さそうな気がする。

評価：★★★★☆