1リットルの涙 8話

脚本/江頭美智留、大島里美、横田理恵
出演/沢尻エリカ、薬師丸ひろ子、錦戸亮、成海璃子、藤木直人
陣内孝則、真田佑馬(ジャニーズJr)、三好杏依、松山ケンイチ
佐藤重幸、小出早織、水谷百輔、松本華奈、橋爪遼、葵
川原真琴、遠藤雄弥、星野奈津子、佐藤祐基、兎本有紀、勝野洋

http://www.fujitv.co.jp/tears/index2.html

初めは手助けして気をよくしていた親友たちも、"作業"と化した
付き添いに対して累積した疲れが不満という形で現れ、少しずつ
沢尻エリカに肩身の狭い思いをさせて、普通の学校へ通う事への
難しさを認識させるまでを描いた話。

エゴとエゴの衝突が今回見応え有ったのではないだろうか。
決して他人への迷惑を顧みていない訳ではないが、自分の当然の
権利を主張する姿が印象に残る。

このドラマの複雑難解な事は、なんと言ってもそんな生徒たちや
父兄らの言い分もそれなりに正当性を帯びている為に、実に
厄介な問題になっている事だ。

沢尻エリカも申し訳ない気持ちを押し殺して生活している中で、
一度彼らと足踏みを乱してしまえば二度と同じ道は歩めないと
いう焦燥感から、最後の一線で歯を食いしばり踏みとどまって
いる状況が実に痛々しい。

一年間を共にしたという事実と、同情だけではやっていけない
という事実が複雑に交錯し、ラストの沢尻エリカの別れの言葉と
それに対応する見送りの歌を歌う生徒たちの表情に上手い具合に
現れていた。

今回なんと言っても錦戸亮の活躍がすばらしい。
クラスの皆の前で主張する姿とは裏腹に、自分も助けることが
できないもどかしい様子が演出として加味され実に複雑な演技
を要求された。

毎回エンディングロールで泣かされるドラマであるが、今回は
それに輪をかけて泣かされる演出だった。
最後の沢尻エリカの別れの言葉はとても前向きな発言で、あく
まで自分で決断した事を強調していたのだが、エンディング
ロールでの"行かないでと言って欲しかった"という一文は
複雑な心境を上手く表していると思う。

見送る生徒たちが合唱した事は臭い演出だという意見も多々
見かけるが、現在生徒たちが出来る最高の演出を見せたという
事で私はとても感動した。

評価:★★★★☆

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