相棒
シーズン4

脚本/砂本量


第3話 黒衣の花嫁
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結婚式の当日、なかなか式場に来ない新郎・海老原元章を心配
して、大学時代の片山ゼミの仲間である芹沢慶二は、彼の自宅
まで呼びに来る。車が置いてあるのに人の気配が無い。
裏に回って窓を見ると、空き巣が入ったような跡があり、海老
原本人は殺害されていた。
伊丹たちは通報を受けて現場検証にやってくる。
芹沢は伊丹に被害者は自分の仲間で、昨晩共に独身最後の夜を
バチュラーパーティーを行っていたという。財布が無くなって
いることから物取りの犯行が疑われる。死亡推定時刻は、直腸
の温度から昨晩の22時半頃。それを証明するように壊れた時計
が22時半に止まっていた。家を調べると来月から警備保障の
セキュリティ契約を行っており、運が悪かったと呟く。

花嫁の津島瑞希は本心状態であるという。
殺された直前に瑞希宛にメールが送られている事が分かる。
"ごめん、話は日を改めてする"と書かれていた。

薫は落ち込んで座っている芹沢に声を掛けると、身内なので
捜査からは外されたという。薫は思いきって特命に来て犯人を
捕まえようと告げる。芹沢はゼミの仲間が贈ろうとしていた
寄せ書きと、8年前のゼミ合宿の際に撮った写真を持っていた。

瑞希の元に海老原の友達は集まり、昨晩送り届けるべきだった
として謝罪する。
右京は瑞希にメールの件で尋ねる。すると昨晩パーティーの後に
大事な話があるので、何時になっても部屋を訪れると言っていた
という。肝心の大事な話については内容は全く分からないとの
事だった。過去の女性関係では無いか?と尋ねるが、彼は全て
の事を話してくれたので、それは無いという。
そんな中葬式の場に浅葉ハルミという女性がやってきて、棺桶の
中で横たわる被害者の名前を涙しながら叫び続ける。瑞希が居る
事が分かると彼女に近づき、彼女の頬を平手打ちする。
全てはあんたの責任だという。
右京たちはハルミから話しを聞くと、大学時代から海老原と
つきあっており、結婚の約束もしていたという。あの女に出逢
ってから彼は変わってしまったのだという。まるで別人の様に
なったとの事。ハルミの昨晩のアリバイを尋ねると、webデザイ
ナーをしているので、自宅に仕事を持ち帰り行っていたという。

仲間たちも海老原はハルミと結婚するかと思っていたという。
ハルミは思い詰めると何をするか分からない女性との事。
8年も尽くしてきた女性だという。

右京達は花の里で飲みながら話をする。
美和子は結婚式の直前に男が全てを話すものか?と告げる。
薫は瑞希という女性は聖女の様な人だと告げるが、そんな女性
はこの世にいないという美和子。

翌日角田から、被害者の海老原は精密機器メーカーの二代目社長
であり、業績が傾いている事を告白したかったのではないか?
と告げるが、企業は黒字を計上して安定していた。
右京はメールの事を考えていた。大事な話を延期するという事
をメールだけで済ます物だろうか?という事。そしてメールで
送信された文章の"ウェディング"の文字について、被害者は
普段"ウェディング"と書くのに対して、メールでは"ウエディ
ング"と書かれていたのである。恐らくメールは別人が送った
ものだろうとの事。それならば花嫁と大事な話をするために
逢うことを知っていた人物の犯行だろうと薫は告げる。

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今回の第一発見者は捜査一課の芹沢

右京達が目撃者になる事は多いけれど、芹沢メインの話は
珍しいね。特命に引き抜かれるかと思ったけど、やっぱり彼は
一課と特命の橋渡し役が似合う。
今回はそんな芹沢の大学のゼミ時代の仲間が犯した事件だった。

手がかりは直前に送られたメールだけ

メールの書き癖が犯人特定の手がかりになる事は時々描かれる
けれど、被害者無き今、メールで言おうとしていた大事な話の
件も含めて真相にたどり着くことが出来るのか。

被害者に関する過去

被害者の父親が婚約者の実家の工場を倒産に追い込み、父親
を自殺に追いやってしまった過去がある。
また被害者には8年間つきあっていた彼女が存在する。

しかしそんな事を凌駕する過去が発覚していく。

8年前のゼミ合宿に隠された真実

芹沢が知らないところで意外な事が起こっていた。
熱を出して休んでいたことで、キャリーを無にしなくて良かった
ね。
でもあれだけ頭の良い人が集まっているのならば、誰か冷静に
なって病院に運ぶとか、倒れている所を見つけたと偽証して
も良かったんじゃないかって気がする。

芹沢を除いた全員が共謀していた

右京がこの事実を発覚する為の素材が少なすぎる。
厳密に言えば遺体を移動させたのならば、そんな物証が見つかり
そうなものだよね。
薫が警察をなめるなと言っていたけど、そんな所から物証も
発見されていきそうだね。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫…… 寺脇康文 (警視庁特命係員)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (ジャーナリスト)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

津島瑞希 …… 遠野凪子 (花嫁)
海老原元章 …… 中原裕也 (花婿、結婚式前日に殺される)
信近哲也 …… 東根作寿英 (市議会議員)
田村厚 …… 坂田聡 (弁護士)
浅葉ハルミ …… 大家由祐子 (海老原と8年つきあう)
古井太一 …… 嶋田豪 (タクシーに乗せた)
氏家肇 …… 浅野雅博 (タクシーに乗せた)
坂之上浩二 …… 京極圭 (海老原の友達)
横山欧彦 …… 佐藤滋 (海老原の友達)
オブチ …… 角谷栄次 (8年前死んだと思われた釣り人)

津田景子


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