相棒
シーズン4

脚本/砂本量、瀬巻亮犬


第4話 密やかな連続殺人
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薫は事件が未解決のまま刑事を引退しておでんの屋台を開いて
いる佐古秀樹の所で食事をする。薫は屋台にぶら下げられて
いるピアスに目が止まる。話しを聞くと13年前の事件で遺族から
譲り受けた物だという。薫は佐古からそのピアスを手渡され、
貴方が持っていて欲しいと言われる。

翌日荒川の河川敷で犬の散歩をしている主婦が、川に浮いている
女性の遺体を発見する。直ぐに捜査一課は現場へと赴き、鑑識
を入れて捜査する。遺体には腹部に刺し傷があり、恐らく失血死
だという。
被害者は日高鮎子。池袋で働くOLだという。ピアスが片方だけ
無くなっていた。
それを見た薫は、川に流される時に外れる可能性は低く、殺害
してから犯人が持ち去ったのではないかと推察する。そして
右京に先日屋台で手渡されたピアスを見せる。

13年前のピアスが奪われた事件について調べる。
舎人中央公園OL殺人事件。1992年10月8日にオノズカヒデコが
ひも状の物で絞殺された事件だった。ピアスが遺体から持ち去
られた事はマスコミにもリークされておらず、模倣犯の可能性
は低いという。

捜査本部では日高鮎子の事件の詳細が語られる。
被害者は池袋の会社を18時に退社し、自宅近くのラーメン店で
30分後に食事をしたのだという。仕事上のトラブルは無く、恋人
も居ないとの事。

一方薫は全国の都道府県警察から同様の事件がなかったかを
尋ねると1981年の大阪で起こった事件をきっかけに、全国で
10件も事件が有ったことを知る。

右京達は内村・中園に広域体制での捜査の必要性を訴えるが、
連続殺人犯だという割りには殺害方法を変えている事に違和感が
有るという。右京は警察の盲点を突いたのではないかという。
何故東京で二件も犯行が行われているのか?という問いかけに
明確な答えはなかったが、恐らく今回の事件は埼玉県で殺害
されて川に流された物ではないかと告げる。右京は一応報告の
義務は済ませたのでと、部屋を後にする。

13年前の事件では犯人が目撃されていた。
容疑者は村木重男で予備校の講師だったという。被害者の
オノヅカは予備校の生徒で、乗っていた電車も同じであること
や、現場に有ったゲソ痕が一致したことから検挙に至ろうと
したが、公園の関係者が同様の靴を履いていたこともあって
問い詰めることが出来無くなったという。
村木が住む練馬区旭丘のマンションに行くと、そこには既に
一課の伊丹たちが捜査に来ていた。村木は突然ドアから出てきて
手首から血を流していた。伊丹によると勝手に手首を切った
のだという。
すぐに病院に運ばれると妻の順子が、精神科医の助手・安斉
直太郎と一緒にやってくる。順子は夫を見ると、どうせ本気で
死ぬ気はないのだろうとして、ぶん殴り持っていたバッグで
ボコボコにする。死ねる物ならば死んでみろと暴言を吐く姿を
見て一同驚く。しかしその後順子は彼をつれて帰っていく。
伊丹はあの状態で犯行を行えるとは思えないという。

助手の安斉によると、村木は精神科医にかかっているのだという。
5年前にバイクに追突事故をされて以来、体調がが不自由だと
の事。彼を担当している内田美咲医師に逢いたい事を告げると
翌日に約束を取り付けることになる。妻の順子は経営コンサル
タントとしてとても優秀な人で有ることを知る。

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佐古秀樹の二度目の登場

シーズン1の4話に登場した彼。
今では警察官を辞めておでんの屋台を開いている姿があった。
相棒ほど長いドラマだと、こういう転職した後の姿まで見られる
所が面白い所だよね。

犯人はピアスを持ち去る

支配と隷属の関係について、村木夫婦の関係は必要不可欠な
ものとして存在していたという。

動機として日常とは逆の願望を無意識のうちに実現しようと
していたのではないかと言われるもの。

果たして二人は共謀していたのだろうか。

そんな願望を知る精神科医

彼らが村木たちをコントロールしていたという事はないのだろ
うか?村木の抱える闇は大きい物だとは思うけれど、人を殺す
までに居たる者か。

ただ冒頭で一人部屋の中で怪しく抑圧された様な状況で居たので
犯人像としては決して間違いではないと思うけど、なんだか
あっさりと犯人に導かれた感じもする。

薫と伊丹の対立

相変わらず二人の間に殺伐とした物があるが、この頃の二人は
無邪気な関係でとても好感が持てるな。

伊丹と芹沢の関係も面白く、捜査の手際の良さでサポートする
芹沢に対して、時代は芹沢か?という伊丹のセリフが笑えた。
その後1万年早いと突っ込まれたけど、そのセリフを根に持って
いる芹沢の姿がまた笑える。

内村と中園

右京に対しては決して甘い顔を見せない二人。
しかし右京が発した推論に一理あると思ったのか、右京達が
部屋から退出した後に、じっくりと検討している辺りが笑える。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫…… 寺脇康文 (警視庁特命係員)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (ジャーナリスト)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

村木重雄 …… 小日向文世 (元年収5千万の有名予備校講師)
村木順子 …… 山下容莉枝 (経営コンサルタント)
内田美咲 …… 奥貫薫 (精神科医)
佐古秀樹 …… 山崎一 (元刑事)
安斉直太郎 …… 高橋一生 (精神科医・内田の助手)
日高鮎子 …… 堤幸恵 (被害者)

飯口美穂、大塚太心、門脇亨、土井重美、中野寛海


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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