相棒 シーズン4 脚本/櫻井武晴 |
第6話 殺人ヒーター
--------------------------------------------------------
最近連続して5件の大手企業連続放火事件が起こっていた。
10月21日の出版業社を皮切りに、10月24日、10月28日、11月3日
11月10日。28日の事件では石原由美(28歳)が亡くなり、3日の
事件では大川剛(23歳)が現場で亡くなっていた。
特命係は現場での証拠物件を一つ一つ仕分け作業をしている中、
特命に電話が鳴る。ついに6件目の事件が起こったというのであ
る。
ヨツバ電機の労働組合室が放火された事件。現場には小柳津桐子
(42歳)が焼死体で発見される。出火元はヒーターだったが、
何故か現場には消化器が置いてあった。
内村完爾は一課の刑事たちに早期の事件解決を求める。
伊丹は無差別殺人ではないのか?とするが、動機は怨恨との線が
強い。客や従業員を調べたのか?という問いかけに対して、
それを聞いていた右京は口添えする。従業員になれなかった
人物も十分に怨恨になる動機は存在するという。
右京は消化器が何故現場に置かれていたのかを調べる。
火事になる前に既に用意されていた物なのか?
米沢から死因は窒息死である事が報告され、今回に関しては
遺体の損傷が激しいのだという。絞め殺したとしてもその跡が
判別出来無い状況にあった。
ヨツバ電機に行き社員たちから話しを聞く。
消化器は普段廊下に置いてあるとの事。桐子は毎晩遅くまで
残っており、タクシーで帰っていたという。何故毎晩残ってい
たのか?労働組合員である浅野仁志や河上茂は、今の時期は
大体週一度残る程度だという。組合長は正義感が強く、組合長
になるときも立候補したとの事。今まで結婚したことは無かった
が最近社長に言われて見合いをしたのだという。ただ河上に
よると彼女の組合活動は度を超えていた部分があり、会社の製品
にもいちゃもんを付けて社内クレーマーの様な状況だったとの
事だった。独りよがりで嫌われていたのだという。恨んでいた人
は誰か尋ねる。
右京達はその話を元に検品課長・恩田義男の元を訪ねる。
元々は設計部長だったが、桐子のクレームのせいで異動になった
事を知る。洗濯槽クリーニングの件で、バイキンブロック機能
がタイマーを使うと機能していない事が出荷直前になって発覚
し、全品検査をしろと迫ったのだという。もしもそれをしなけ
れば、設計図を業界紙に暴露すると社長たちの前で告げた事で
責任を取らされたのだという。恩田は最近大ヒットを飛ばした
コードレスヒーターを設計した人物だと分かる。
そんな中、会社の入社試験で落とされた人物を調べていた所、
幾つかの会社で共通して落とされている人物・黒川英明の存在
が有ることが分かる。
--------------------------------------------------------
★6件の放火事件
同一犯による犯行かに思えたが、1、3、5件目の事件は、面接
で落とされた男の仕業だった。
残りの2、4、6件目はいずれも被害者が出た放火事件という事
で、新たな犯人を捜すことになる。
★最初の聴取で犯人を特定していた右京
相棒では最初の会話の中で、犯人しか知り得ない情報がさらり
と語られることが多い。そのやりやりに気がつかないでいると
最後に真相解明の段階で、やられたと視聴者は思うことだろう。
当時現場に居たことが分かる言葉を浅野仁志は語っていた。
★疑惑のコードレスヒーター
スイッチが無線かされていくと予期せぬ所で電化製品が稼働
したりするので恐いよね。しかも電源までもがコードレスと
いうことで、例え倉庫に入っていたとしても、何らかの拍子で
電源が付いてしまう可能性がある。
★タクシー会社の謎
ヨツバ電機が専属契約しているのは、キャッスル交通。
しかし被害者は毎日色んなタクシー会社を使って帰宅していた
事が分かる。一体タクシー会社は事件解明に関係があるのか?
★コードレスヒーターのクレーム
勝手に電源が付いてしまうという致命的な欠点。
社員の中ではこの欠陥に関してどの程度まで感知していたのか。
社長、工場長、検品課長の全てがその事実に気がついていた向き
が有り、それを隠蔽しようとしていた事で、上手く殺人の動機
に関してミスリードを誘っていた流れだった。
★殺害は痴情の縺れ
会社の隠蔽事件ではない所で殺されるというのが、ドラマと
して最大の皮肉として写る事件。
会社として一切責任を取ろうとしない体質を皮肉る展開だった
けど、また一つ現代社会を皮肉る所が良くできていた所だった。
杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫…… 寺脇康文 (警視庁特命係員)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (ジャーナリスト)
伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
恩田義男 …… 嶋田久作 (ヨツバ電機・検品課長)
沖健次郎 …… 笹野高史 (ヨツバ電機・工場長)
小柳津桐子 …… 辻沢杏子 (ヨツバ電機・労働組合長)
浅野仁志 …… 近藤公園 (ヨツバ電機・社員)
河上茂 …… 大石継太 (ヨツバ電機・社員)
黒川英明 …… 村杉蝉之介 (エリート意識を持つ)
卯月庄一 …… 峰岸徹 (ヨツバ電機・社長)
鈴木信明、久野泰助、佐藤英征、佐藤智美
評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)