相棒 シーズン4 脚本／古沢良太

第8話 監禁
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薫は気がつくと手足を縛られ椅子に座らされていた。
薫の携帯電話が鳴るも、進藤ミサエは薫の懐から取り出し
ハンマーでたたき割ってしまう。電話を掛けた美和子は突然
電源が切れたことに違和感を覚える。
ミサエに対して何のマネだ?と問うと、相談に乗って欲しいと
言っているでしょうと告げる。

右京は薫が無断欠勤している事に対して、最近弛んでいるので
はないか?と呟く。角田は右京に取材が来ていると告げると、
右京は応対に出る。なんとやってきたのは二人の中学生の
千恵と由佳だった。推理小説研究会の二人は、最近掲載された
都民ジャーナルに和製シャーロックホームズとして掲載された
右京の記事を見て、やってきたのである。特命係の事を尋ね
もう一人の人は何処にいるのか?と問うが、右京はどこに行った
のですかねと、自分も分からない事を告げる。

その頃、ミサエは薫に対して金庫の暗号を解くよう訴える。
金庫の前には"やまとはくにのまほろば たたなづくあおがき 
やまごもれる やまとしうるはし"と書かれていた。この詩の
中に金庫を開ける6桁の数字が暗号として隠されているという
のである。業者にも頼んだが、この金庫は国が当時の技術の
粋を集めて作った金庫なので開けられなかったという。謎を
解いてくれたら何でもしてあげるという。しかし薫はこれは
拉致監禁、恐喝罪であり、今頃警視庁では大騒ぎになっている
だろうと告げる。上司はとっくに手がかりを掴んでいるはずだ
という。自分はこういうのは苦手で、いつも体力方面の担当
だというと、ミサエはそんな嘘を言っても調べは付いている
とし、和製シャーロックホームズでしょうという。薫は都民
ジャーナルの件を思い出し、あの記事に書かれていたのは相棒
の方であると告げる。

薫は割れたガラス片が床に落ちているのを知り意図的に椅子
から倒れてそれを拾う。その間にミサエは冷蔵庫から麻薬らしき
注射器を取り出す、液を注射器に入れていく。

その頃右京は薫のことが気になり美和子の元を尋ねる。
アイツのことだから何かに巻き込まれているかもしれないと
彼女は心配する。昨日電話を掛けた際に、呼び出し音が突然切れ
た事を話す。あいつが切ったのか、それとも誰か別の人間が
切ったのか。

薫は手に縛られていたロープを切り、ミサエに反撃する。
しかしミサエはハンマーを片手に襲ってくる。
薫は部屋から出ていくと、共犯者の新田信彦と遭遇。新田が居る
部屋には、二人の遺体・落合惣八と伊藤一郎が転がっていた。
争っている所にミサエがやってきて、金属バッドで薫を殴り飛
ばし再び椅子に手足を縛り付けるのだった。
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気がつくと薫は手足を縛られ監禁されている事を知る。
目の前には凶暴な女性・進藤ミサエがおり、薫に対して目の前
の金庫の暗号を解くよう要求する。中には戦時中の軍の残した
金塊が入っているというが・・・

比較的相棒では人気の高いエピソードみたいだ。

冒頭から何故薫が監禁されているのか分からず、少しずつ状況
を探っていく所は、相棒としては珍しいパターンで斬新なもの
がある。

何故ドラマでは薫に対して女性は不躾な要求をしているのか。
そして右京が中学生から取材を受けているのは何故なのかなど
不思議な感覚で見守っていると、一つの広報誌にたどり着く。
口は災いの元、ならぬそんな都民ジャーナルが、事件の犯人を
引き寄せてしまう所など、あり得ないとしながらも何処か笑える
ものがある。

ドラマとしては、どのように右京が薫の元にたどり着くのか。
ある意味時間制限とばかりに、凶暴な女性・進藤ミサエが
時限爆弾のような役割を果たして、薫に怪しげな注射を打とうと
何度も迫ってくる辺りが笑える。

ミサエのキャラクターであったり、共犯者の新田は何処か現実
離れした所があり、どちらも憎めない一面がある所など、
人を殺しているとは思えない雰囲気が何とも言えない物が
あった。

緊迫感のある場面で薫がよそ見をしてみたり、右京の推理が
途方もない所が有るところは否定できないが、普通の事件とは
一線を画した感じで、とても興味深い物があった。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫…… 寺脇康文 (警視庁特命係員)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (ジャーナリスト)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

進藤ミサエ …… 佐藤江梨子 (キャバ嬢、犯罪歴多し)
新田信彦 …… 酒井敏也 (不動産屋の社長)
千恵 …… 碇由貴子 (中学生)
由佳 …… 吉谷彩子 (中学生)
座間繁子 …… 吉本菜穂子 (不動産屋の社員)

中川謙二、加藤英真、梅田宏 、石田哲也

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)