相棒 シーズン4

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 島川博篤、西平敦郎
脚本 - 輿水泰弘

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_04/


第11話 汚れある悪戯〜史上最大の誘拐事件

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青葉銀行本店。昼休みになると城崎愛梨はメガネを変えて外
ランチの為に社外に出る。
しかし次の瞬間銀行に奇妙な電話が鳴る。
自らを須佐之王と名乗る男性。総務部の平林が対応に出ると、
社員の一人・城崎を誘拐したというのである。誘拐したという
証拠に彼女がランチをしようとしていた西洋亭までの道のり
にそれを残しておいたという。早速社員達が調べると、彼女の
カーディガンと一緒に社員証が落ちていた。犯人は5億円を
用意しろという。その際警察に通報しても構わないと告げる。

一課の特殊班が編成され、指揮を取るのは森林十三。
銀行の会議室に対策本部が設置され、すぐに誘拐された愛梨の
自宅を調べる。そんな中、警察が準備し終わった頃に再び犯人
から電話があり、警察の意図を全て見抜いていた。警察が指定
する専用番号へ電話し、逆探知にも臆することはない犯人。
すぐに発信元が特定され、相手は人質の携帯を使い、青山の
基地局から電話しているのを知る。
警視庁では特別警戒態勢が取られることになり、警察官の殆ど
が誘拐事件の任務に就くことになる。しかし特命係は捜査から
除くという内村らの大人げない態度に右京や薫もしらけた目で
見つめる。

再度犯人から電話が鳴り、人質の声を聞かせるという。
今度は新宿の基地局からの電話。犯人は一億円ずつ分けて札束
の帯を取り外し、ヘリコプターを用意してそこに積むよう指示。
更にヘリコプターには操縦者を除いた別の一人を連絡用に乗り
込ませる様指示する。犯人は明日の朝までに用意してと言って
電話を切る。
普通は夜に取引してこそ捕まりづらい事なのに、何故わざわざ
朝を指定してきたのか。
右京は仕事を切り上げ帰宅するという。元々捜査から外された
事。そして犯人が動くのは朝だと言っているとの事。

薫も家に帰宅しパソコンを見ていると、巨大掲示板に犯人と
見られる人物の書き込みを目撃する。すぐに薫はパソコンを
持って花の里にいる右京の元に駆けつける。
掲示板の書き込みには、船橋海浜公園野球場に5億円をバラ
まくので見ている人を呼び集めるかのような内容だった。
犯人は身代金を取るつもりはなく、単なる愉快犯なのか?

翌朝、犯人から9時ジャストに飛び立ち国会議事堂に向けて
飛べと司令が来る。議事堂の上空を三度周り、"ワン"と叫べ
という。それが終わると晴海埠頭に向かわせるが、途中で
また行き先を変更し、船橋海浜公園に行くよう指示する。
そしてその上空に着く頃、犯人は上空から5億円をばらまけと
指示。仕方なく警察が要求に応じると、予め書き込みを見て
いた野次馬達がそれを見て辺りは騒然とする。しかしその
群衆に紛れて人質だった愛梨が手錠に猿ぐつわをされて
発見される。
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ドラマは二件に渡る誘拐事件を扱ったモノ。

誘拐事件に於いて成立させるのがもっとも難しいのは、金品の
受け渡しが有るためのもので、犯人は必ずその時に警察の前に
現れなければならない。しかし今回の犯人は何故か金には固執
せず、目立ちたいが為の行動を見せる。

掲示板を使うというのは如何にも現代っぽかった。
しかも金持ちのボンボン故に金をそれ程欲しがらずに、民衆に
配ってしまう点が捜査を難しくさせる。

犯人は警察からの追跡を屁とも思わないわけだが、今回の一連
のドラマの中で良く解らないのが、移動して基地局を誘導して
いるような感じだったのに、その映像は一切無く、固定された
場所からやりとりしていた印象が有ったこと。

前半部はやたらとヘリコプターからの空撮が目立った。
放送されたのが2006年のお正月スペシャルなのでその豪華さが
分かるという演出の数々。
国会議事堂を三度集会させた後、森村にワンと叫ばせた辺りは
遊び心に溢れていた。その声に驚くときの警察達のリアクション
が良かったな。

無事誘拐された城崎愛梨は見つかる。
しかし彼女も容疑者の一人として疑いの目を向けていく右京。
特に今回の着眼点はメガネだった。
他人のメガネの事なんてそんなに覚えているものなのかという
くらい職場の人もよく覚えていたな。特に外飯に出たときに
メガネを変えていったと証言する辺り、目撃者が居るっていう
のが凄い。
最も問題なのは彼女は何故群衆の前に突如猿ぐつわをされて
現れたのかという点。この辺の描写に説得力はあるのか。
幾ら周りが舞い散る金に視線を集中させても、目の前で猿ぐつ
わをして目隠しして手錠をはめている姿を見れば異様に映らな
いか?

疑われるのは共犯の存在。果たして共犯が居るのか?

二件目の事件が発生する。
今度は畑山純一郎の三男・哲弥が誘拐される。
5億を用意しろと言われ用意できるところが凄いね。
今度はいよいよ犯人も受け取りに来るという。
しかしこの時犯人は亡くなってしまうわけだけど、亡くならな
かったとしたならばどうやって受け取るつもりだったのでしょ
うか。その時全ての種明かしって感じなのか?

哲弥は殺害されて見つかる。携帯電話を遺体の人物が持っていた
事で彼が犯人ではないかと考える。この辺はもうちょっと裏付け
を待った後に結論が欲しいところだったか。
検死の結果、首に巻かれたロープは殺害された後に巻かれたもの、首には謎の傷が付着していること。
死因は心臓麻痺だという。

哲弥の部屋を調べると愛梨の部屋にカメラが設置してある事が
判明する。更に一件目の犯行時刻に愛梨がネットカフェに居る
所が監視カメラの映像で分かる。
犯人は分かったが、果たして哲弥を殺害したのは誰なのか。
そして他にも共犯が居るのか。

小野田がワンポイントで登場し、解決に於ける重要なヒントを
落としていく。親が事件に関わっていること。
それにしても暗示殺人とは、葉月里緒奈を魔性の女にしたかった
だけのようでなんとなく不自然かな。あの場面で死に対する
恐怖が生まれていたとも思えないし。

杉下右京 …… 水谷豊
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田 公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
西肇 …… 六角慎司 (捜査第二課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義
小松真琴 …… 久保田龍吉

城崎愛梨 …… 葉月里緒奈 (共犯)
畑山哲弥 …… 甲本雅裕 (犯人、須佐之男)
畑山純一郎 …… 竜雷太 (犯人)
畑山富貴子 …… 姿晴香 (後妻、哲也の母)
平林 …… 斎藤洋介 (銀行員)
森村十三 …… 永澤 俊矢 (特別班指揮)

山本道子、松山鷹志、樋渡真司、宮下今日子、鈴木修平
大隈いちろう、中脇樹人、少路勇介、三上哲、所博昭
石原誠、をはり万造、羽根田陽一、飯尾英樹、千葉誠樹
佐々木省三、浜幸一郎、[イ且]川衛治、大木章、渡辺火山
田中功、石塚良博、小磯龍哉、湯田宗登、朝倉亜実
鈴木信明、菊池隆志、サイ・ホージン、佐々木優、道添愛美
桂由利香

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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