相棒 シーズン4

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 島川博篤、西平敦郎
脚本 - 櫻井武晴

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_04/


第17話 告発の行方

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ルポライターの男性・堂島丈一が道ばたで亡くなっているのが
発見される。彼のアパートであるパークプラザ中目黒の一室か
ら飛び降りた跡があり、飛び降りる以前に頭部に外傷が出来た
と思われる傷がある。部屋には何故か壁に殴りつけた跡が有り
机にも引っ掻き傷が多数見つかる。
凶器は彼が執筆した"血税の墓場"がJSジャーナリスト大賞を
取ったときのトルフィーであることが判明。部屋中の指紋が
拭き取られた跡が見つかる。
しかし飛び降りる直前に机に手を置いたのか、机の上に血痕と
指紋が残されていた。

堂島丈一の最近の活動は創起出版のキリン芸能での下世話な
芸能記事ばかり書いているが、以前は気骨のあるルポライター
で有ったと右京は呟く。殺されたのはそんな雑誌の発売日。
過去には政治や社会の闇を暴くヤバイ記事ばかりを取り上げて
いた事が分かる。
その中で最後に彼が取り上げた記事は国土交通省の古賀由紀男
のネタだった。それを見た右京は、違和感があるとして出版
した雑誌社に話を聞きに行く。

既に雑誌社の創起出版には一課の刑事が来ていて鉢合わせする。
編集長の栗又幸治に堂島が書いた記事について尋ねる。
これでは大臣を持ち上げただけの記事で、雑誌で取り上げる程
のネタではないのではないかと尋ねる。記事掲載の最終的な
判断は栗又が決めることを確認する。

彼が出版した"血税の墓場"は公共施設などの"箱物"の無駄や
矛盾を深く取り上げたものだった。同じジャーナリストの美和子
も絶賛していた本で、見習いたいという。

右京達は衆議院会館にいき、古賀議員に逢う。
20年以上彼の秘書を勤める赤枝文和が同席し古賀議員から尋ねる。
議員は忘れっぽい性格で、常にポストイットでメモを残して
いた。議員はルポライターの堂島丈一の事は気に入っていると
告げる。しかし後々赤枝から話しを聞くと、そのインタビュー
記事を受けたのは私だという。議員は四国の南浜市の市議から
国政に出た人で、苦労人であることを知る。しかし南浜といえば
最近南浜ドームを建設し、第三セクターが500億円の負債を抱えて
倒産し、100億円の税金の投入と、地元の市民税が上げられる
事でも有名なところだった。
赤枝は居酒屋でインタビューを受けていたことを知る。

居酒屋に行き店主から話しを聞くと、当日編集長と堂島の間
で激しい喧嘩が有ったことを知る。"約束が違う"とかなんとか
言っていたとのこと。栗又に争いの原因を尋ねたが、ライター
と言い争いになることは頻繁に有り、覚えていないとのこと。

編集長の話しを聞いていた編集人の一人・原松美が右京らに
話しかける。堂島は社会性の強いネタは売れないとして苛立って
いたという。才能が有って強い人だが、実際には弱い人だと
意味深な言葉を残していく。
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着眼点はルポライターの書いた記事

わざわざ掲載するほどの記事ではないとか、このルポライター
が書いたとされるにはあまりに貧素な内容だとか、余程その人
の書いた記事を知っていないと判明しないような事が元になって
いるね。

ルポライターはどのように記事を書いていたのか?

堂島丈一の部屋にPCの類が無いとの事。話しを聞いてみると
彼は手書きで記事を書いており、その理由として他人に訂正され
た箇所が一目で分かるからだという。そういう理由も有るのね
と妙に納得するものだった。

記事掲載の裁量

確かに編集長によるものだよなぁ。
クレームが恐くて掲載しないのも編集長の権限の一つ。
ライターに文句を言われるのは当然なんだけど、警察の人たちに
それを言われるとまた微妙な印象がある。

原稿を残していたのは仲間の原松美

ライターに対する一番の理解者だったのかな。
彼女のお陰で展開は引き締まった。

古賀大臣

ちょっと政治家としてはやっていけないほど忘れっぽい一面が
描かれた。痴呆症が進行して居るんじゃないか。ただそんな彼
のお陰で赤坂が現場にいたことが判明する。

現場での顛末

赤坂が書いたメモの傷を見ると、確かに現場の机の傷痕と一致
する。ドラマとして良くできているのは、赤坂に殴られた後にも
生きていたことを証明する為に、机を使った点か。

ドラマとして面白い点

赤坂が堂島に求めたものというのが、記事の公表を伏せろという
ものではなく、逆に何故暴露記事が掲載されないのかと憤り
を感じる辺りの顛末だ。普通は記事をもみ消すために、迫るもの
だよね。

堂島の死の原因

その原因は編集長に有るとするが、どれ程本人が自覚している
のか謎だ。ただ法的には責任がないけれど、ただジャーナリスト
ではないという事だけだとする右京の静かな怒りが印象的の
エピだったね。

そうっすね。

シーズン4の右京は、薫の口まねをするシーンが度々現れる。
薫が〜っすねと語る口調を今回は右京も追随する。
真面目なキャラクターだから、こういう言葉一つでも興味深く
なってしまうんだよな。


杉下右京 …… 水谷豊 (特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田 公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
西肇 …… 六角慎司 (捜査第二課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

赤枝文和 …… 羽場裕一 (古賀の秘書)
栗又幸治 …… 松重豊 (創起出版編集長)
堂島丈一 …… 長谷川公彦 (キリン芸能雑誌記者)
古賀由紀男 …… 石山輝夫 (国土大臣)
原松美 …… 冨樫真 (創起出版ライター)
居酒屋店主 …… 岩本宗規
矢部 …… 松本豊一 (創起出版編集者)
五味 …… 佐藤リョースケ (フォトオフィス)

成瀬奈緒子、江口いくえ

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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