相棒 シーズン4

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 島川博篤、西平敦郎
脚本 - 輿水泰弘

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_04/


第21話 桜田門内の変
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右京達は女性の連続殺人事件の犯人を追ってアパートの一室へ
と踏み込む。女性が縛り付けられており、入り口には容疑者の
男性・鬼藤清六が居た。女性の叫び声で、容疑者が入り口にいる
のを知って右京と薫は追い掛ける。
すぐに捜査一課・四係の一ツ橋や轟木、そして山田たちもやっ
てくる。犯人は屋上の鉄塔に上り、懐に隠し持っていた青酸カリ
で自殺を試みようとするも、刑事たちの説得によって下りて
くる。
ようやく逮捕したことで轟木はタバコを一服吹かせるが、室内は
禁煙だと怒られる。事情聴取の時には轟木は昨晩食べたニンニク
の臭いを漂わせて同僚の刑事たちも困らせていた。

轟木の事を監察官の韮沢が呼んでいるとの報告を受けて彼は
警務部へと足を運ぶ。

一方鬼藤清六は留置所に入る。留置管理課の泰良は青酸カリ入
りの歯の詰め物を清六に手渡す。

轟木は趣味にしているトランペットの練習に於いて周りから
苦情が来ている事を韮沢から注意するよう言われる。
轟木は病院に行く為に、韮沢に犯人から取り上げた青酸カリの
ビンを鑑識に渡すよう頼んで病院へと向かう。

一方捜査一課四係の轟木を尋ねてきた綿貫。同僚の刑事から、
今日は轟木は戻ってこないと言われ戻ろうとするが、デスクの
隣に轟木のトランペットが有ることに気がつく。中を開けて
みると、自分よりも良いトランペットを使っていることに気が
つく。

韮崎は轟木に頼まれ仕方なく鑑識の米沢に薬を持って行く。

一方花の里では、右京や薫は美和子の帰りを待っていた。
美和子はエジプト・カイロ支局に出張中で今日帰国してくる。
一週間だけの日本へと帰国だという彼女。店にやってくると、
薫は美和子に婚姻届の件を尋ねる。彼女は半分だけ名前を書いた
がまだ踏ん切りが付かないことを口にする。

その頃一ツ橋は誰も居なくなった鑑識課に足を運び、密かに
押収品の青酸カリを盗み出す。

薫と美和子は自宅に帰宅すると、そこには女性モノの靴が置か
れていた。誰かと思えば薫の姉・磯村茜だった。茜は旦那と
離婚しようかと思うとして逃避して上京してきたのである。
美和子とは既に顔なじみで、二人は結婚はどうするのかと尋ねる。
茜は美和子に恋愛と結婚は別物なので注意しろという。

一ツ橋は韮沢が一課の部屋から出てきたところを、軽く挨拶を
交わす。一ツ橋は轟木が病院にいった事を聞かされる。
人が見ていない隙をついて一ツ橋は轟木の机の上のタバコに
青酸カリを染みこませたものを置いていく。韮沢は轟木のトラ
ンペットのマウスピースに青酸カリを塗る。

韮沢は帰宅すると教会で熱心に祈る。

翌日、轟木の机の上に置かれた煙草は私のものだとして、部下の
山田が取りに来る。轟木はデスクの隣に置いておいたトランペッ
トが綿貫のものと変わっていることを知って取り替えに行く。

煙草を吸った山田と、トランペットを吹いた綿貫は次々と倒れ
のだった。これはテロリストによる仕業なのか。
警視庁は騒然となり、マスコミもその事実を報道し始める。

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一人の警官に殺意を抱くものが同時に三名

現実的には有り得ないものだけど、シチュエーションとして
考えれば面白いものだった。

ドラマとしてのポイントとなるのは、三名が同時に青酸カリ
を仕込む中で、それぞれの件を混同させることなく扱い、どの
様に三名の被疑者が居ることを知らせていくのか。

狙われる男性・轟木一郎太

とても優しい刑事では有るのだろうけど、ちょっと品に欠ける
部分があり、ルールにも疎い。周りの人間に気遣う事を知らない
ガサツさも有って、受け入れられない人が居る事は確かだが、
果たしてそれが殺意へと結びつけられるものなのか。

ドラマとしての意外性と皮肉

上述した人物像でまさか痴情の縺れや嫉妬心から犯行の動機
となっているなんて誰が想像しようものか。
明らかなサプライズを求めすぎている点はあるけれど、まぁ
殺すには金か女かと言った事しかないからね。

ドラマとしては自供の日記頼み

このドラマで最も描く側として難しいのは、一人の犯人が捕ま
った際に、他の件も一緒くたに流れていってしまう点だ。
そういう意味で別の者の犯行との差別化を図る必要がある。
その見極めをどのように付けていくのかが脚本家としての腕の
見せ所だろうか。

最終的には一ツ橋の自供の日記が全てだった。
ボールペンに着眼点を置いたところは面白かったが、流石に
目で見てボールペンの違いを導き出すのは難しいのではないか。
成分分析すれば、特定する事は可能だろうし、海外ドラマなど
でもそんなシーンを見たことがある。

美和子と薫が結婚

シーズンが始まった当初はどうなることかと思った二人の関係
だが、いよいよ結婚、入籍という事になった。
まぁ式はしないみたいだけど。
それと薫に名古屋の姉が居たなんて初めて知った。


杉下右京 …… 水谷豊 (特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田 公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

轟木一郎太 …… 小倉久寛 (一課四係)
韮崎ひばり …… 田中美里 (警務部・監察係)
泰良哲郎 …… 永堀剛敏 (総務部・留置管理課)
山田亨 …… 草野康太 (一課四係)
一ツ橋明男 …… 高橋和也 (一課四係)
磯村茜 …… 戸田恵子 (薫の姉)
鬼藤清六 …… 藤木孝 (連続殺人犯)
綿貫甚八 …… 真那胡敬二 (警視庁・音楽隊)
河野誠吾 …… 藤本浩二 (一課四係)

下元史朗、グラシアス小林、松永英晃、金房求、児島功一
遠藤たつお、小沢日出晴、比佐廉、森永徹、田野良樹
長友健太、木阪佳史、小磯龍哉、谷村実紀、濱田実里


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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