今回、家族の愛情を象徴する「弁当」がテーマの話し。

菅野美穂の気怠そうな態度や演技はこのドラマの中では実に良い
感じに作用している。

そんな彼女が見せる笑顔。
初めは不細工なまでの作り笑いなのだが、徐々にその笑い
が自然に現れていくようになる演出が最高に良かった。

記憶喪失が嘘だと分かっていてもそれを見守ってくれる仲間達の
存在が実に暖かく、今までに無かったような優しさに触れていく
ウチに、彼女の求めていた理想の家族像を思いだしては、本来の
自分を取り戻していく。

何と言っても他人という事を意識していない家族としてのコミュ
ニケーションの取り方が自然で上手い。
さり気なく飲み物を共有していたり、頭を撫でていたりする行為
に無理が無く、ピンポイントで現在の彼女が求めている心の渇きを
潤い満たしている感じがしてくる。

子供の反応は素直で正直だ。
弁当のエピソードに関しては、最初は本当に"不味い弁当"で良か
ったのに、最後の最後だけ妙に蛇足的な演出になった気がした。
全てを丸く収める必要はないのになぁ。

評価：★★★★☆