おとなの夏休み 10話 -最終回-

脚本/一色伸幸
出演/寺島しのぶ、石黒賢、ささの貴斗、中島知子、中越典子
姜暢雄、大倉孝二、佐田真由美、中尾ミエ、小野武彦、南田洋子
宇津井健

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"プチ・タミ"閉店の日。
石黒賢が中島知子と浮気していたのを知って寺島しのぶが取った
行動とは?

前回"別れるだけならば誰でも出来る"と言った感じの台詞が
存在していたので、簡単には別れないと思っていたが、まさに
その通りの展開になった。
立ち直りのきっかけとか心の整理みたいなものをどのように
処理するのかが最後に残されたテーマだったように思う。

石黒賢が寺島しのぶの気持ちを理解したような台詞が有ったが、
こんな事態の後では何の説得力も持たないように感じたのは
残念だった。
しかし不器用な彼が壊れたコーヒーカップを修復したこと、
新たにカップを取り寄せたことは、寺島しのぶに込めた一つの
シグナルで有りとても良い形であった。
それに対して、石黒賢の気持ちを理解する寺島しのぶの姿は、
喫茶店の12万円の赤字が指し示すように、現実の厳しさを知らしめる
事で間接的に伝わったのではないかな。

心の変化・整理が一瞬にして訪れた感じがするのは、やはり
1話短縮された煽りを喰ったのが原因だろう。
今の生活基盤を壊す程の勇気が有るのか、また親友や家族との
決別を選択できるのかなどの葛藤は、この短縮された1話の中に
含まれていたのかも知れない。

今の寺島しのぶにとって必要な事は、社会との大きな認識のズレ
を埋める現実だ。

美談に思っていた南田洋子と宇津井健の話しの裏にも当人にとって
は僅かな距離を縮めることの出来ない現実が待ち受けており、
成長を促すには良いエピソードでは無かったかな。

今回だけの展開を見ればそれなりに良かったのだが、
全体を通して親友を浮気で絡ませてしまった結果、"プチ・タミ"で
働く三人の関係が微妙となって複雑な心境を生んでしまい、ラストの
三人のショットが活きてこない感じがするのは残念だった。

評価:★★☆☆☆

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