実にドラマとして地味に進行し、これから結婚式を控えるカップルの
シミュレーションの様な感じの、また結婚式を終えた人に再び感慨に
浸る機会を与える感じの仕上がりになった。

ラストは、娘が嫁ぐ前に父親に対してこれまで育ててくれた感謝の
思いを伝えようとして、様々な邪魔が入り伝えられないもどかしい
感じを永遠と引っ張るエピソードを持ってきた。

この前の回で矢田亜希子と長塚京三が和解せずにしこりを残すような
感じで結婚式を迎えていたとしたならば、こういうエピソードの中で
伝える思いもアクセントが付くのかも知れない。しかし既に愛情に
溢れている家族が改めて伝える"愛している"という言葉も、ドラマとし
て見ればやや物足りなさを感じるのも事実だ。

このドラマは日常の何気ない家庭の描写が上手く描かれており、そんな
何気ない日常の中にこそ幸せが潜んでいることを示唆しているようにも
思うが、結婚することの喜びとは逆にその調和が乱れる事への寂しさと
いうのは非常に伝わってきた。
毎日親子で通勤していた道(踏切)を最後に一緒に歩くことを望む姿。
退官の日に最後に全員で駅まで歩いていく姿は、今回の中では最も
見所になったと思う。


評価：★★★☆☆