相棒 シーズン5 (2006年度10月期・テレ朝) チーフプロデューサー - 松本基弘 プロデューサー - 島川博篤、西平敦郎 脚本 - 輿水泰弘(1)(13)、古沢良太(2)(7)(11)(16) 岩下悠子(3)(8)(14)(19)、戸田山雅司(4)(10)(17)(18) 櫻井武晴(5)(9)(15)(20)、西村康昭(6)、吉本聡子(12) http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_05/

第8話 赤いリボンの殺意
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1991年秋、屋上で女性・長沢智世が男性に首を絞められて殺害
される。凶器は赤いリボン。

薫と右京は徹夜で張り込みした帰り、車内で偶然ラジオを耳に
する。気分を落ち着かせるためと右京が選局したのは"モーニ
ング・クラシック"という番組。しかしその番組のリスナーが
リクエストする際に奇妙な事を言い始める。昔自分は人を殺し
たという。その時頭の中にアヴェ・マリアが流れており、
現在殺害現場に来ているという。冗談という事で締めくくられ
るが右京はすぐにこれが15年前の橘町女子大生殺人事件の事
だとして現場のマンションに向かう。
現場には誰か来たことを示唆する赤いリボンが現場に残されて
いた。当時殺害した証拠である赤いリボンの事は報道されて
居なかったので当時の状況を知る者の仕業である事が分かる。
当時防犯カメラの映像が残る物の、マフラーをして帽子を深く
被りサングラスをしていたために犯人が特定できなかった。
時効までは残すところ一ヶ月。

取りあえず現在の防犯カメラの映像を調べ誰が赤いリボンを
くくりつけたのか調べることになる。
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なんとも切ない話だった。
事件そのものよりも、この事件に賭ける刑事とその家族に焦点
が当たるような話だった。

当時捜査を担当した刑事・高岡義一。この事件に関わったせい
で人生が可笑しくなってしまった一人。捜査中に妻を病気で
亡くしそれがきっかけで娘とも疎遠の関係になる。
それでも遺族の人たちに犯人は必ず捕まえるとして、我が身を
犠牲にして働く刑事としての鏡のような人だった。
しかしそんな彼も初動捜査のミスにより事件を迷宮化させて
しまったという。

犯人を装い赤いリボンを付けた人物はすぐに見つかる。
殺された知世の婚約者だった男性・西だった。
この人15年経っても未だに元恋人の事を引きずっている所が
純粋だね。
警察に改めて捜査を促すためにラジオで大胆な行動をとった
彼。警察関係者が聞いていなかったらどうなったのだろうか。

今回のポイントは全てマンションの防犯カメラに有った。
ドラマとして上手いのは早朝という設定だろうね。
容易に人が出歩く時間ではないという縛りがあるからこそ、
捜査に於いて絞り込んで容疑者を特定することが出来たと思う。

タクシー会社の男性から乗せた人物が割り出されて、この家庭
にはアメリカに留学した息子がいることが判明する。
単なる留学かと思えば逃げるようにしてアメリカに出国した
息子。

右京と薫は過去の論文に付着していた指紋を口にしていたが、
これって二人がよくやる囮的な嘘ではなかったのか?
最後は自供頼みだったが、皮肉にも父親の勤める会社のCMで
使われている赤いリボンのネタが凶器として使われてしまった。

更に皮肉なのは容疑者は既に死亡している事実。
アメリカに居るならば時効は止まっているはずだなと思ってい
たけど既に他界していたのね。

ドラマはここで終わりではなく最後に高岡親子に対するフォロー
のエピソードが有るなどとても良くできた内容だった。
伊丹たちも高岡の気持ちを汲んで必死に伝令係を演じていたな。


杉下右京 …… 水谷豊
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田 公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
西肇 …… 六角慎司 (捜査第二課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義
小松真琴 …… 久保田龍吉

高岡義一 …… 木場勝己 (捜査一課の刑事)
高岡ちひろ …… 馬渕英俚可 (義一の娘。ブティック店員)
長沢智世 …… 小出ミカ (15年前に殺害された女子大生)
西孝介 …… 久松信美 (智世の婚約者)
石黒喜久雄 …… 有川博 (石黒ギフトの社長、資産家)
石黒信也 …… 加々美正史 (喜久雄の一人息子)
長沢 …… 大原真理子 (智世の母、義一から手紙をもらう)

松永麻里、塚田美津代、有馬ゆみこ、真矢野靖人、白川周作

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)