相棒 シーズン5
(2006年度10月期・テレ朝)

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 島川博篤、西平敦郎
脚本 - 輿水泰弘(1)(13)、古沢良太(2)(7)(11)(16)
岩下悠子(3)(8)(14)(19)、戸田山雅司(4)(10)(17)(18)
櫻井武晴(5)(9)(15)(20)、西村康昭(6)、吉本聡子(12)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_05/


第19話 殺人シネマ

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旭キネマでは60年代に大ヒットした映画「海峡の虹」のリバイ
バル上映の真っ最中。この映画のファンであるたまきは右京を
連れてこの日映画館に来ていた。
12回目の同映画の繰り返しの鑑賞にもかかわらず新鮮な気持ち
で涙があふれ出るたまき。帰りに一人の老人が座席に座った
まま動かないでいるのを目撃する。ナイフで心臓を一突きされ
ていた。右京はすぐに支配人の江守に通達するのと同時に、
これまで入っていた客達に事情を聞くために出入り口に立ち、
出て行かないよう協力を求める。

すぐに一課の刑事達や鑑識もやってくる。
上映中に悲鳴のようなものは聞こえなかったという右京。
死体が見つかり客の流出を防ごうとしたが10数人は既に外に
出た後だった事を告げる。

支配人によると遺体はこの映画を監督した織原晃一郎であると
いう。支配人は殺害当時は映写室にいたという。掃除婦の
赤井のぶ子も上映中に出て行った人は居ない事を証言する。
一組の客が上映中にトイレに立っている事を知り事情を聞くと
不審者は見なかったが、看板を見ている綺麗な女性が居たこと
を知る。
監督が亡くなったという一報を聞きつけ、ビデオ制作会社の
営業・海老名政夫が飛び込んでくる。彼はこの作品のDVD化の
為に監督に交渉していたが、監督は映画は絵画館で見るもの
だとしてDVD化には反対の立場だったという。
殺したのは恐らく神様の仕業だとして呟く。
しかし犯人は何故リスクの高い映画上映中を狙ったのか?
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とてもシンプルな構成の話だった。

殺された監督・織原晃一郎は誰に聞いても気難しい人物で、
映画に対する拘りとは逆に人間関係に於いては相当厄介者とし
て描かれている。
それ故に彼を恨むものは多いようだが、殺すほどに憎んでいた
という人物は存在するのか。

ドラマとしてやや苦しいのが、既にこの監督、映画界の一線か
らは退いてから長いこと。映画撮影当時に恨みを抱いていた人が
居てもこの時期に犯行に及ぶというのは、少々考えづらい。
また右京も語っているが、リスクの高い映画館での殺害に及ば
なくても、この監督の自堕落な生活を見ていれば、安全に殺害
する機会は幾らでも存在すると言うこと。

ドラマを見ていて被害者が映画監督であり、末期癌だと発覚した
時点で映画館の中で死にたいのだろうなと思った。自ら依頼して
映画館で殺ろしてくれと言われているパターンかなと思って
見ていた。

殺害の容疑者として辛うじて可能性を漂わせているのが、
DVD化を目論むビデオ制作会社の男性・海老名と、映画関係者に
話しを聞いた時に浮上してきた青葉絹子という女性。
摂食障害に陥るなんて相当神経質そうなイメージを抱いたので
この人物が人生を狂わされたとして恨みを抱くのならばそれなり
に動機としては成立するのかなと。

結果としては青葉絹子で間違いはなかった。
しかし犯行の動機は全くの正反対の理由だったという点では
面白い内容だったと思う。
物証も揃っていたし、早い段階から右京たちもそれに気がついて
いたということで、その後は上手く自白するのを誘導した感じ。

しかしまぁ何かしら事件に関わり合いがあると、普段には見せ
ない行動を取るというのが着眼点の一つとして浮上するが、
この中の女優もマスコミ嫌いではあるが、突然マスコミの前に
出始めたという点で、上手く怪しさを引き出したと思う。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁・特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

織原晃一郎 …… 森山周一郎 (映画監督、末期癌)
島加代子 …… 星由里子 (女優、本名は神谷祥子)
赤井のぶ子 …… 松本留美 (劇場の清掃係、本名は青葉絹子)
江守義彦 …… 石井洋祐 (映画館「旭キネマ」支配人)
海老名政夫 …… 鈴木リョウジ (ビデオ会社)

梅田宏、二宮弘子、半田周平、佐藤麻優
藏内秀樹、窪田吾朗、太田美穂、丹下一、小口久仁子、鈴木貴子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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