相棒 シーズン5
(2006年度10月期・テレ朝)

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 島川博篤、西平敦郎
脚本 - 輿水泰弘(1)(13)、古沢良太(2)(7)(11)(16)
岩下悠子(3)(8)(14)(19)、戸田山雅司(4)(10)(17)(18)
櫻井武晴(5)(9)(15)(20)、西村康昭(6)、吉本聡子(12)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_05/


第20話 サザンカの咲く頃

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新宿のビルの屋上で男性が争い一人の男性が落下して亡くなる。
もうじき壊されるビルで何をしていたのか。遺体のポケット
から免許証が見つかり男性は、SEPROという会社のプログラマー
の瀬沼優だと分かる。
現場には二人分の靴跡があり争った形跡が有った。
しかし現場検証した結果を鑑識課の倉庫に保管していたところ
何者かに盗まれる事件が発生する。

彼が働いている会社に行き事情を聞いて回る。なんとそこには
亡くなったハズの優の姿が有り、二人の男女の顧客と会話して
いた。しかし事情を聞けば双子の弟・翔だと分かる。双子共に
優秀なプログラマーで、弟に事実を伝えると体が半分無くなっ
たかのようだと語る。
翔の話では最近優には接触してくる男性が居たという。仕事は
民間企業からだけ受注している事を聞く。

一方小野田に電話してきた嶋村は電話の途中で亡くなる。
小野田はすぐに逆探知して居場所を特定する。
翌日小野田は右京を誘い朝食を取る。そこで10年前に部下だった
男性・嶋村が昨日心臓発作で亡くなった事を告げる。小野田から
顔写真と部屋の鍵を手渡される。彼は公安の職員だったという。

右京と薫は所轄の警察官に昨日嶋田が倒れていた場所に案内して
もらう。すると階段の途中で亡くなっており、手には携帯電話と
サザンカの花を持っていたという。
すぐに嶋田の部屋を調べると、備え付けられているPCのMOのディ
スクに目を通す。置き時計が不自然に置かれているのに気がつき
調べると盗聴器が仕掛けられていた。公安の幹部とも有ろう
人物が盗聴器を仕掛けられているのは可笑しいとして、亡くなっ
た後に設置されたものだろうと推測。更に調べる内に盗ほ撮器も
仕掛けられているのを見つける。
鑑識課にいき米沢に先程入手したMOを調べて貰う。すると右京
は何かに気がつき突然MOの蓋を強引にこじ開ける。するとその
中には追跡装置が仕込まれており、こちらの正体が相手に伝わ
ってしまったと悔しそうな顔をする。

そんな中、角田は特命係に設置してあるテレビで国会中継を
見ていた。最近防衛費の流用問題で防衛省の佐々木勝久が
証人として召喚される。その中に佐々木の事をサポートする
女性の姿があり、先日右京らがSEPRO社で見た女性である事が
分かる。そんな佐々木は発言しようとしていた矢先に苦しみだ
して倒れてしまう。
恐らく瀬沼の元を訪ねていた男性とは嶋村だろうと推測する。

右京は嶋村や佐々木が亡くなった件について、過去に同様の
手口で亡くなった事件を思い出す。当時その捜査に当たってい
た小野田の元に話しを聞きに行く。
すると10年前に国際短波放送で不可解な乱数を受信したこと。
放送源は特定できなかったが、その乱数には三人の男性の事
が書かれていたという。東洋航空のオダシンヤ、関東衛星通信
のカトウユウタ、サキタ絞製作所のサキタジロウ。それぞれ
殺害されている人物だが、それが他殺だと気がついたのは
三人目のサキタの傷口に付着していた毒物からだった。
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次々と証拠も亡く人々が殺害されていく。
その過程で捜査情報が盗まれる事件が有ったり、犯人が警視庁
から公安の手に渡ったりと不可解な動きがあった。
果たしてそれらの因果関係は何なのか。

とても緊迫感に溢れた内容で、右京と薫の間にも何か起こって
しまうのではないかという雰囲気が存在していた。
盗聴器だったり、監視の目だったり、とにかく今回は執拗な
人物が右京らの捜査を監視していた。

10年前の事件との関連とか犯人は違うけれど、それに後悔して
いるものたちが、各省庁にいたり警視庁にもいたりして
全ての原点がココにある点は面白い流れなのかも知れない。

プログラマーが殺された件に関しては、ちょっと兄弟で殺害して
しまったこともあってイマイチリアルさに欠けたり、USBメモリー
のパスワードが一瞬の内で解いてしまう右京のカンなど、嘘くさ
さも有った。そして弟が犯行を自供する辺りのツメは少々詰め
切らないままに自供してしまった気がする。

ドラマが進展したのは右京と薫が合同調査会議の前に三人と
接触してカマをかけた辺りからだろうか。
案の定右京がプログラムの中身は衛星に関わるものだとした
次の瞬間薫が誘拐された。こんな大胆な行動を取らなければ
この事件の全貌は発覚しそうになかったのにな。

ドラマは日本の安全を守ろうとする余り、自分たちも殺人者で
有りテロリストになってしまったというもの。
大儀のためとはいえ、人を殺害できるものなのだろうか。

全員が逮捕されて一件落着かに思えたがここからがドラマとして
熱いところ。
まさか小野田が謀反を起こそうとは思わなかったけど、この大胆
な行動は後々右京たちにもその力を降り注ぐようで恐い要素
でもある。
美和子にリークさせようとしたり、地方公務員という立場を
利用した上手い方法で保身を行い、事件を明るみに出させよう
とするが、結局一連の事件がどうなったのか分からない点は
モヤモヤする点かも。
最後に小野田に手紙を渡して彼にも罪を背負わせようとする
所がまたニクイね。

杉下右京 …… 水谷豊
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田 公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
西肇 …… 六角慎司 (捜査第二課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義
小松真琴 …… 久保田龍吉

水原塔子 …… 横山めぐみ (情報本部主任調査官)
南蒼一郎 …… 畠中洋 (法務省・公安調査庁)
江良司 …… 大城英司 (外務省・国際情報局)

瀬沼優&瀬沼翔 …… 山崎勝之 (プログラマー、優殺害される)
岩佐紀之 …… 夏八木勲 (警察庁長官)
佐々木勝久 …… 五王四郎 (防衛省)
磯部支配人 …… 梨本謙次郎 (ホテルamazon支配人。お台場に有る)

宮下 …… 遠藤たつお (公安・部長)
嶋村雅弘 …… 宮内敦士 (公安・課長、殺害される)

石村みか、有山尚宏、問田憲輔、水久保一麻、高瀬尚也
山下征彦、小杉幸彦、高桑満

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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