リリが突然倒れる。検査してみると過労による貧血だと言うが
レントゲンには胃に怪しげな影が映る。

勘違いな性格をしているリリが、勘違いの事象によって化学反応
を起こし、普通の性格以上の彼女の姿を見ることが出来る。

リリの居ない生活は考えられないというアンナではあるが、
それは恭太郎にとっても同じ事であり、生活の中に深く浸透して
いる彼女の存在感の大きさを改めて感じさせる展開だったと
思う。

普段は耳障りだけど、居なくなって初めて気がつく大切な存在
という事は、恭太郎の中でも実に微妙に位置にあり、今まで全否定
していた彼女の存在からすると大出世もの。それどころか、
恋路に於いてアンナのライバルになりえる存在である事を示唆
する内容だったようにも見える。

過労の原因が恭太郎のセーターを編んでいた為というオチも
普段のリリの中から純粋な彼女の姿を見ることが出来て、
とても良い感じに映ったと思う。

今回はナレーションの使い方もいつも以上に積極的で、ドラマ
を面白くさせたし、ちょっと昔の欧州の悲哀的映画っぽい演出が
奇抜ながらもとても上品なセンスある演出に思えた。

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)