第6話 失踪!悲しき夕焼け

香里奈が寿退社し、彼女が家庭を持つことによって、環境の違い
を敏感に感じ取った草なぎ剛が強烈なストレスを感じ始める。

自閉症患者を持つ家族の人生について語る話であると同時に、
毎回提示される有る意味自閉症患者に対する興味本位なまでの
反応を見せられた感じの展開だった。

これまで自閉症患者に対して距離を保ちつつ冷めた目で見ていた
小日向文世が少しずつ現実と向き合うようになってきた。
他の自閉症患者を持つ親は息子に対してどのように接してきた
のかを気にする辺り、揺れ動く心情を描いている様で興味深く
描かれていたと思う。

人からサポートされないと生きていけない自閉症患者から離れて
暮らすことに対して、自分の人生を自由に歩む事に対する当然の
権利と、患者を見捨てて暮らすことになるという後ろめたい
気持ちの葛藤が有り、その辺の対応の違いをリナの視点と小日向
文世の視点と、兄嫁夫婦の視点の三つの視点から描いた話しで
キャラクターの性格がそれぞれに出ていて面白かった。

自閉症患者でも出会う人によっては可能性は広がることを草なぎ剛
の演技を通して知ることができた。

結婚や人が死ぬことに対してどのくらい理解しているのか
分からない中で、自閉症患者には'約束'という決まり事が最も心の
中で消化しやすく、理解しやすい事がよく分かる話だった。
それと同時に人が死ぬことは遠くに行くものだと思いこんでいる
彼の発言が、小日向文世を勇気づける発言そのものであり、
過去の後悔の念を洗い流してくれるようで、ちょっと感動的な
エンディングだったと思う。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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