第2話 閉ざされた未来に

時が流れて殺人事件から7年後の話。

過度にこのドラマに期待しすぎていたか。
ドラマの展開は私好みではなく、演出家とのセンスの違いを恨む
しかない。

悲惨な生活を送る二人の精神状態は次第に極限状態になっていく
わけだけど、間髪置かずに早くも二人の対面が実現してしまった。
感情的には二人を逢わせてあげればいいのにとドラマを見て
思った訳だけれど、ドラマとして考えた場合、そんなに容易に
二人を逢わせるべきではない。寧ろ運命の皮肉を感じさせる
ように焦らして焦らして、それでも尚会えない展開を用意した
方がドラマとしては断然面白いはず。

しかも互いの気持ちは語らずとも二人の絆を上手く演出して
くれるものかと思えば、わざわざ二人の会話の中でネタを
ばらすかのように自分たちの心の中を語り合ってしまった。
そもそも共犯意識を有する二人は会わなくても互いを意識する
関係になれるはず。精神世界の中で二人を結びつける感じを
描いて欲しかった。

私はもう少しこう独特の感性を持った主人公像に期待していた。
1話の中ではそれを上手く表現できていただけに、成長した
後の姿には正直ガッカリさせられるものがあった。
1話では子役に凄惨な役をやらせたという衝撃さなんかも加味
され、必要以上に大きく見えたのだろうか。

ただ一つ期待できそうな所は、一度嘘を付いたらその嘘を正当化
する為にまた別の嘘を付かねばならないという泥沼にはまって
いく感じはなかなか良かった。
そして日本のドラマの中でも加害者の晴れない気持ちをここ
まで迫った感じはなかなか無いかも知れない。

町工場の煙突から煙が出ている映像もなんとも素朴なドラマを
上手い感じに照らし出している。

評価:★★★☆☆

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