第4話 罪と罰 |
今まで加害者側の人間として暮らしてきた綾瀬はるかにも、
事件のほとぼりが冷めてようやく春を迎え始めた。
しかしそんな春を迎えるに辺り、人生を共有すべき人の犠牲
が有ったことも忘れられない事実として存在している。
幼少の頃に誓い合った関係で居ても、生活環境の違いにより
当然ながらも二人の間には温度差が生じ始め、闇夜で暮らす
片方としては日の当たる場所で暮らし、意識が変わり始めている
他方の人間に対し嫉妬心が生まれてくる。
山田孝之にとって信じられる人・求める人はあくまで
運命を共に過ごすと誓い合った綾瀬はるかだけで有り、
奥貫薫を使って上手い感じにその違いを描いて見せた。
奥貫薫を裏切ったことはとても冷徹な行為だが、彼女が如何に
好意を寄せても、彼の人生の中に彼女の存在は決して映る
ことがない。
一線を越えて以来、山田孝之は確かに変わった感じはする。
いとも簡単に犯罪に手を染めて、仲間意識の芽生えた人間を
簡単に裏切ってしまう。
しかし根本的には何も変わってはいないと思う。
綾瀬はるかの後押しがないと一人では何も出来ない彼。
しかし綾瀬はるかの為となれば、彼はスーパーマンの様に変貌する。
少しでも良い暮らしをして欲しいと思うが故に貢ぐ形で不正に
得た大金を振り込んでいるのだが、一見献身的な態度のように
見えて実は自分の存在を知らしめるが為、彼女との関係をつなぎ
止めて置くが故の行動そのもの。
別れて暮らすとはいうものの、実は目の届く場所に彼女が居ない
と不安でしょうがない。
そんな臆病な彼が綾瀬はるかを失う事への恐怖心が根底にあり、
彼女に執着する理由を上手い感じに描いた話だった。
ただあんまり気分のいい話ではないですね(+_+
評価:★★★☆☆