第8話 欠陥住宅詐欺の恨み

ライバル関係にあるシロサギ・加藤浩次の過去を深く掘り下げ、
彼を見守る大塚寧々の存在に焦点を合わせることで、上手い感じ
に山下智久と堀北真希の関係に対比させ、今後の二人の行く末を
示唆する内容で実に興味深かった。

展開の巧さが随所で目立っていた。
特に学生の頃、ノートを貸し会う二人の関係を描いておき、
この欠陥住宅詐欺に於いても、二人が作ったノートが一つの完成品
として成立する辺り、出来すぎるくらいよく出来た話だったと思う。

法律が人を守ってくれるのか?
法律とは人を守るためにあるのではなく、人が幸せに生きていく
為の手助けをしてくれるもの。

山下智久が常日頃から堀北真希に投げかけていた言葉に、今まで
は何の答えも見出せなかった彼女が、この答えを見つけ出した
展開も実に興味深い。一見戦っているように見えても、彼の行動は
戦っているのではなく逃げているだけだというのは、まさに真理
だと思う。

シンデレラの話を今の主人公の話になぞる展開も実に巧妙だ。
物語の終止符はハッピーエンドに有ると思われがちなシンデレラ
の物語も、現実的に見ればその後の生活にこそ本当の物語が存在
している。未だ癒えることのない被害者心理を上手く引き出して
いると共に、彼の行動に必然性を持たす意味でも上手い演出
の仕方だと思う。

guest
大塚寧々、鶴見辰吾

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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