第1話 法廷は涙にめざめる

町の弁護士、略してマチベン。
まるで食いしん坊探偵の略称・喰いタンみたい。

大好きな法廷物ドラマであるし、使用されているBGM自体もNHKっ
ぽくないスタイリッシュさが有ったので見てみた。

法廷物ドラマはテーマとして、裁判に勝つ事への追求なのか、
事件の真実の追究に有るのか、その狭間の中で巻き起こる
人間ドラマを描き出したドラマである事が殆どだけど、この
ドラマでも多分に漏れず、そんな感じの内容のようだ。

真実を追究する側の弁護士として江角マキコが陣頭指揮に当たって
おり、町の小さな弁護士事務所を舞台としている点を見れば、
近寄りがたい弁護士事務所にも親近感が沸き、大きな事務所では
見えにくい人間の怒り、悲しみなどをダイレクトで伝える役目が
有るのだろう。

1話目は、未成年の放火犯が起こした放火が元で一人の若い女性が
亡くなる。未成年であることや証拠不十分な点から、刑事訴訟
では犯人に対する十分な罰則は与えられず、民事の点から遺族の
無念さを訴えるような内容だ。

警察の捜査だけでは見えていなかった状況証拠を掴んでいき、
会話の中から相手の綻びを見つけては、その部分を突いていく
展開は見応え有ったが、結果としてその部分だけでは有罪に結び
つけるのは難しく、最終的に取った行動は情に訴える方法。

がっちりした証拠固めの理論の対決ではなく、相手の自白待ち
するというやり方は、やや肩透かしを喰らった点ではあるが、
犯人はともかく相手の弁護士を情に訴え、口説き落として自らの
ペースに持ち込んだという点では面白い展開だった。

1%でも可能性があるのならば依頼人の為にとことん戦うという
江角マキコに感化され、今後は山本耕史も共に戦っていくのかな。

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system