幼女誘拐／身代金受け渡し場所にいた高校教師の男が容疑者と
して捕まる。彼は容疑を否定するのだが、多くの物証が彼を
有罪へと導こうとしている。果たして彼は本当に無罪なのか。

アリバイは有るがその理由は生徒との約束のために決して
公には出来ない。アリバイに隠された真実は何なのかがドラマ
としてのポイントだった。

今回随分と江角マキコの弁護士としての姿勢や性格が見て取れる
エピソードだった。彼女は依頼人の権利を守ろうとするのだが、
依頼人の心にまではなかなか気を遣う事をしない。
真実だけを求める江角マキコらしいキャラクターといえるのかな。

ドラマとして良かったのは、他人のために何かを守ろうとする
偽善的な態度ばかりを前面に出していない点だ。
人間ならば誰だって我が身の可愛さ故に、この手の論争で行き
着く先は、他人を裏切る結果となる。しかしそれが自分自身の為
ならば、自分の信念を貫くことにも有る意味説得力が出てくる
のだ。

自分が犯した過去の過ちを悔やんでいる事。
安っぽいアリバイ論争の裏に隠されていた事実は、なかなか
深いものが有ったのではないかな。

ただ全体的に見ればツッコミ処がないわけでもない。
アリバイは他の所で立証できるし、体裁を気にする理事長が
情に流されるようにして解雇通達を取り消してしまうオチも
不自然と言えば不自然。また物証もないのに、マスコミが容疑者
の実名を出して大々的に報道しすぎかな。
それこそ世間のマスコミに対して訴訟を起こした方がよいかも
しれない。

guest
大倉孝二、奥貫薫、木野花、中村有志、悠城早矢、不破万作

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)