そこそこの生活をしてきているものの、一番にだけはなることが
出来ないコンプレックスを夫婦の関係にもなぞり、本妻と愛人の
立場の違いを描いたような話だった。

夫婦に愛情のあったときの様子も描かれていたけど、そんな
気持ちを喚起するきっかけとなるのが、立場上、下に見ている
愛人・西山繭子の存在。

愛人の存在を認めてしまう辺り、神田うのらしい話だけど、
プライドだけは失わない強気な姿勢とその台詞が面白かった。

そんな夫婦関係を描きつつ、最後に中森明菜の親子関係に迫る
展開も良くできていた。
一番になるのは、妻としての立場だけでなく、母親としても一番
にならればならないハズなのに、息子・中島裕翔は黒木瞳に
ばかり楽しそうな笑顔を見せる。そんな姿を見ている中森明菜の
切なそうな姿が印象深かった。

古田新太の浮気の話は、如何にもミスマッチだと思ったけど
神田うのの本音を引き出す為に、上手い具合に彼女と目線を同じ
に置いて、語りやすい場面を作ったかなと思う。

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)