第5話 愛し組員よ永遠に

山本龍二が息子のように慕う中尾明慶を守りながら、"殉職"して
いくまでを描いた話し。

家族や親戚から爪弾きにされた二人の人間の絆。互いに精神的に
支え合ってきた事が演出され、ラストへと繋がっていく作り。

二人の絆が今回のドラマの中でパッと出てきたと思えば、すぐに
消失していく作りなので、深い感動や失望が有ったわけではない。
出来れば1話辺りの中から、ドラマの中でもっと二人の親密感を
すり込んでおく必要があったし、対等な関係で有った方が、
失ったときの悲しみは大きかったかも知れない。

しかしドラマの中に於ける人が散りゆく"美学"みたいなものは
十分に伝わる内容だったし、昔のドラマのような死ぬまでの
間に男気を見せる展開で、これぞ任侠ドラマだなという臭いを
感じることが出来て、有る意味ニンマリするようなドラマだ
った。

背中を撃たれながらもドアを閉めるシーン。
ドア一枚で繋がる二人の関係が実に多くのものを感じさせる
場面だったと思う。
思わず映画"南総里見八犬伝"を思い出したぞ。

正体をバラさなければ良いのにもかかわらず、ドラマを盛り
上げる為に出てきてしまう小市慢太郎。
今まで彼の下についていた方言を語る部下の存在が、ようやく
ここに来て大役を与えられた感じで、山本龍二も含めて信じて
いたものを平気で裏切っていく彼の存在がドラマに感情を移入
するのに十分な存在感を与えてくれた。

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system