10年後というのが今回のキーワードになっていたが、正直そんな
テーマはそれ程魅力でも無いし、ドラマの中では重要には映らない。

それだけに伊東美咲と亀梨和也。今回このテーマに乗っかった二人が
恋愛に発展するというのは少々無理が有りそうな展開にも見える。

今回最も興味深く描かれていたのは、伊東美咲の内に潜む性格上の
悩みだと思う。
流行にもそこそこ敏感だし、ファッションのセンスも悪くない。
料理も出来る。しかしそんな彼女の中で唯一足りないものが可愛げ
のない性格である点。

これまでの人生の中で"女性"としての可愛げさを選択する場面が
有ったにも関わらず、女性としての武器を素直に使えない事の
不器用さ。女性らしい事を選択する事の後ろめたさ。
そんな自分が居ることを認識しながら、何故素直に身を任すことが
出来なかったのか。
そんな葛藤が面白い話であるし、そんな殻を打ち破ろうとしている
伊東美咲の進退に注目が集まる展開だったと思う。

もう一つの流れは、家庭や家族というものを蔑ろにしている佐藤浩市
の中に、その象徴である志田未来をぶつける事によって、どんな
態度を見せていくかって所かな。

クリエーターが家庭の枠に収まるようでは才能は発揮できないと
言われる中で、家庭に目覚めていくきっかけとなる志田未来との
約束に対し、どういう反応を見せていくのか。

家庭をヒントにキャッチコピーを考え、見事に志田未来のリアクション
をテーマに載せて構成した辺り、悪くない展開だった。

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)