第4話 あなたがくれた夢

歌うことを諦めた彼女、昼間の空気に当たることを辞めて
しまった彼女、同情は要らないと心を閉ざしてしまった彼女を
再び立ち直らせる話。

ネガティブな感じからポジディブな展開へと見事に転換した話で
良くできていたと思う。
中でも病気を思わせる紫外線からの防護服は、ネガティブさを表す
象徴的なアイテムなのだが、そのアイテムを使ってポジティブさ
を引き出す流れは実に見事な演出だと思う。

ドラマでは本音をぶつけ合っている感じが良く現れていて好感が
持てる。
田中圭と山田孝之が衝突した流れも理想と現実とか上手い感じに
ぶつかり合い、両論を上手く戦わせた感じがするし、
勝村政信が山田孝之に会いに来た流れも、一人の男性として嫉妬
する姿と同時に、彼女の幸せを考え、他の男性に娘を託そうとする
無念さなんかも垣間見られる複雑な感じだった。

ちょっと話は逸れるが、田中圭と山田孝之の話し合いは映画
ジョゼと虎と魚たち」を思い出させた。
相手に対する好きな気持ちと同時に病気に対する同情心が混在する
内容で、結局現実的な結論を選んでしまう主人公の複雑な心境
を扱った映画だった。
相手を好きな気持ちに偽りはなくとも、それを阻もうとする現実
に高い壁を感じる物語は、このドラマにも当てはまりそうだ。

最後は支え合って生きている人間の温かさを感じた。
しかし現実はそう簡単に幸せを運んではくれないようだ。

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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