第10話 絶唱

松下奈緒の提案で、彼女のファースト・コンサートで
ムーンチャイルドのお披露目が行われる話。

病魔は呼吸障害にまで及び、延命のためには手術が必要だが、
手術を行うと発声が行えなくなるという命を賭けた究極の選択
を強いられる展開だった。

このドラマ、始まる前からその展開と結末は火を見るよりも
明らかなものだが、大事なのはそんな展開の中をどう考え、どの
ように生きたのかの証明にあると思う。

人間が人間らしく生きるためには、夢を持つことの必要性と、
ちょっぴり人生の余裕を感じさせる恋愛を経験させたこと。
この二つの要素をどちらも含む人生は、短命であっても充実した
もので、幸せな人生を送ることが出来たという証明を上手く
描けたと思う。

この世から居なくなったが、魂は人の心の中で生き続ける。
そんな言葉を証明するような映像の数々と形見であるCDを発売
出来た流れは、"明らか"な展開の中でもよく描けた方だ。

最後は夢の舞台の中で静かに眠るように亡くなったこと。
愛する人の手の中で亡くなった事は、ドラマらしく綺麗な形で
幕引きした。

ただ現実的な話をするならば、単なる呼吸困難で無くなったの
ならばちょっと不可解なオチか。
挿管出来る準備をして居ればそれなりの対処は出来ただろうに。

また恋人や仲間や夢の存在によって、その分弾かれてしまった
親の存在を思うと少し切ない。

もう一話くらい余裕が有れば、山田孝之と沢尻エリカの2ショット
でのデートを満喫するくらいの映像が有っても良かったと思う。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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