第10話 暴走するオンナ

自社のヤミ献金疑惑が確信へと変わり、公表すべきか隠蔽する
かで社内が騒然とする話。

我が身の可愛さゆえに、自社のスキャンダル公表に臆する人と
天海祐希の対立の構図。

自分の信念に真っ直ぐな天海祐希が人間としての心の良心と
なり、不動な立場を貫く彼女とその良心との間で動く様々な
人間模様を描き出した話で良くできていたと思う。

家庭を持つ人ほど保守的な立場になるし、まだまだ人生をやり
直せる人ほどこういう問題に積極的に対応できる。
また表舞台のキャスターとして働く人間と裏方で働く人間の
面白い対比の構図が現れた。
という事で生瀬勝久を使った保守的人間の対応と報道マンと
しての成長を感じさせる矢田亜希子の対応の違いが、チーム
内で色濃く描かれ面白かった。

何よりも嘘をついたら自分の事が嫌いになるという、他人ばかり
にその非を押しつけようとしない天海祐希の態度に好感が持てる。

谷原章介の態度も今回は興味深かった。
前回の事件の際にも誠実な態度を取っていた証拠が見つかり、
今回もまた報道に携わる人間としての良心を失っていなかった。
こういう一貫した性格が描かれるとキャラクターに感情移入が
しやすく共感を得られると思う。

この話を物語の序盤に持って行き、政界を取り巻く一大スキャ
ンダルを追求する話にでもなれば、このドラマも面白くなった
のに。
月9にはシリアスさはあんまり求められていないのかな。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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