これまでの一連の流れの回答集という感じの展開であり、見応え
十分の話だった。

前回は香川照之を撃つ衝撃的な場面で終わったわけだが、
二人が仕組んだ演技だとは思っていたけど、今回演出的に一日前に
遡って全容を解明する作りはなかなか斬新で面白かった。

特に始めに現場に来た人物が黒幕であるという展開の中で、足音が
聞こえる時のゾクゾクとした感じは、ドラマとしてもなかなか出せ
ない味であり、興味深い演出の仕方だと思う。

このドラマで最も良かったのは洒落た感じのオチだった。
愛する人の手によって殺害することこそが最高の復讐劇であり、
彼の求める愛する人を失うときの悲しみや苦しみを味わせる為に
自らの命を使ったというのは実に上手い話だった。

一連の復讐劇の作戦の中でも彼が篠原涼子に近づき、自分の事を
好きにさせるという事こそが最も難しい作戦だったのかもしれない。

また唯一感情移入してはいけない相手を好きになってしまう
ところが運命の皮肉さを表す感じでドラマをより深いものとした
と思う。


ただ一連の殺人劇を一人の人物が心理的に操っていたと考えると
やや不自然さを感じなくもない。
特に濱田マリに関しては知能犯的な動機しか無く、そんな動機で
親友を裏切るお粗末な顛末という感じしか残らなかった。

最後にホームページに集まる人を家族のように思い、自分の
復讐劇とは全く関係のない井上順だったりその他諸々の人物を
殺害していった事は、彼の中の猟奇的な部分と同時に心の寂しさ
を演出した感じで、なんだかより物語全体を悲しくさせた。

ドラマは続編が有るとか無いとか言われていますが、人事の
異動がどのようになっているのか気になる。
サダヲくんが一番偉くなっているのだろうか?

評価：★★★★★