第5話 衝撃!本当のママの秘密

ようやく佑樹が今の環境に慣れ、川野あゆの事を名前で呼ぶよう
になった頃、突然哲の前妻であり、佑樹の産みの親である景子
が現れる。彼女は哲に貸した300万円の借用書を取りに来たと
いうが目的は別の所にあった。

あまりに良くできた神レベルのシナリオで驚いた。
シナリオが良かったというよりもそのシチュエーションに絶妙な
ものが有ったのかも知れない。

哲と景子の間で起きた問題を川野あゆや子供・佑樹に押しつける
形で、この二人には気の毒なシナリオだったと思う。

問題の当事者である哲。
問題の元凶はこの人にあるのに、あゆの事を責める資格は一切
無いわけで、哲が神妙な面持ちで自分は不幸を背負い込んだと
いう表情を見せるほどに腹ただしさを覚える内容だった。

そして今回悪女として登場した産みの親・景子。
この人の凄いところは、自分が登場することで現在の妻・川野
あゆが傷つくことが分かっているし、佑樹が混乱する事が分かって
いる。にもかかわらず、飄々として哲や佑樹の前に現れたことだ。
女性らしい復讐だったり、未練のようなものが混在していて
複雑な役だったが、紺野まひるさんは上手く演じていた。

生みの母親と育ての母親。比べようもないけど、実に酷なシナ
リオを用意したと思う。子供にそれを選ばせるのは尚更残酷な事で
産みの親の前で無防備な表情で喜ぶ佑樹の姿を見たときには、
実に複雑な感じがした。

ドラマの上手い点は、好き勝手し放題の悪女・景子を最後には
付き落とすという点だと思う。佑樹が選んだのは父親だったという
事実が語られることで、ドラマとしての形勢は一瞬の内に裏返る。
産みの親が絶対の存在から、川野あゆ側にイニシアチブを持って
きたのだ。

多分このドラマのピークは今回だと思わせる程面白かった。

そういえば300万はどうした?

guest
紺野まひる、貴島康成、松村百花

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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