相棒 シーズン6
(2007年度10月期・テレ朝)

脚本:櫻井武晴(1)(9)(14)(19)、戸田山雅司(2)(3)(10)(16)
西村康昭(4)、吉本昌弘(5)(15)、入江信吾(6)
岩下悠子(7)(8)(13)(18)、古沢良太(11)(12)、輿水泰弘(17)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_06/


第3話 蟷螂たちの幸福

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ミステリー作家の蓬城静流は春陽出版の編集者・伊能から〆切、
原稿の催促をされる。静流は三時間だけ時間を欲しいとして
部屋に閉じこもって執筆する。大好きな音楽を流して執筆する
かに思えたが彼女は窓から抜け出すとタクシーを拾って、自分
の夫が管理する事務所へと足を運ぶ。すると夫・田橋不二夫は
銃を取りだしたかと思うと、次の瞬間彼は撃たれて亡くなる。

アシスタントの加瀬が田橋不二夫の遺体を発見。
すぐに検死官が現場検証を行う。遺体の手からは硝煙反応。
拳銃からは遺体の指紋が検出された事。部屋には鍵が掛かって
おり、そして遺書も見つかった事から自殺が有力視される。

右京はその検証の場に立ち会い、使われた銃を調べると、不自
然なことに銃は5発装填できるタイプで、1発は被害者に向けら
れて発砲されているが、次の銃弾にも弾が入っていない事を
知る。
加瀬に現場に立ち会ってもらうとソファーにあるべきクッショ
ンが無く、そして本棚の本が一冊消え去っていることを知る。
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硝煙反応、銃の入手経路、そしてアパートの監視映像から
不審者の影が見えず自殺だと判断されるが、銃に込められてい
た銃弾が不自然に一発無くなっている。果たして事件の関係は
有るのか。

ドラマとしては夫婦関係がどのような状況にあるのか、
上手いこと険悪な関係であるイメージを吹き込んで構成して
いたので、こういう結末だったことを見破るのは難しいモノだ
った。ただ正直妻の作品のために自己を犠牲にするという動機
は理解しがたいものが有り、あまりスッキリとする結末でも無い。

相手はミステリー作家ということも有って、一癖も二癖も有る
であろうことは容易に想像できたが、有る意味右京と彼女の
頭脳対決は見どころの一つだった。

夫は妻を殺害しようと計画しており、妻はその思惑を知って
計画を逆手に取ろうとしている。勿論そんなつもりはないのだ
けど、最初に右京が想定した殺人までの構図だ。

非常階段を調べに行く過程で、夫の車の中にハシゴが入っている
事を発見する。何故殺害しようとしていた人がハシゴまで用意
しているのか。

ドラマとしては彼女が病気であろう事が発覚することで、ドラマ
としての全ての印象が180度変わってしまう。末期癌患者を
殺そうと企むはずはない訳で、夫側の殺意は考えられないもの。

美和子が途中で過去に見た雑誌の記事を覚えていて、この夫婦は
仲がよいと思っていた事を挿入した辺りが上手かったね。

まぁ遺体にキスしていた事でDNAとか検出されそうだし、
遺体にベタベタ触りまくっていた事から、物証は見つかりそう
な事件だったな。

杉下右京 …… 水谷豊
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁の運転免許試験場)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦 信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢 守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田 六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策部)
内村 完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田 公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
西肇 …… 六角慎司 (捜査第二課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義
小松真琴 …… 久保田龍吉

蓬城静流 …… 荻野目慶子 (ミステリー作家、本名:田橋静枝)
田橋不二夫 …… 江藤潤 (静流の夫、蓬城の事務所)
加瀬 …… 滝直希 (マネージャー、第一発見者)
伊能 …… みのすけ (春陽出版、編集者)

元井須美子、飯尾英樹、山瀬秀雄

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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