颯乙の身に何かあったときに頼れる人間だとして紹介した朝日奈
は、彼女にとって敵だった。何を言っても朝日奈の姿・格好では
反発されるだけで聞く耳持たれず悪い方に捉えられる。
今の気持ちを伝えるにはどうしたらいいのか。

いやぁ面白いですね。なんというか私好みのドラマです。

奇抜な設定だし、これからやろうとしていることは無謀そのもの
なんだけど、演技から伝わるドラマは実にシリアスで、人間と
人間がぶつかり合っている感じがする、そんなドラマです。

好きだった相手からいきなり大嫌いな人間という立場になり、
どうやれば自分の中の誠意が伝えられるのか。

有言実行出来れば一番なんだけど、それがまたとてつもない
大きな夢で、今のままでは努力している姿さえも誠意として
受け止めてもらえない苦しい立場。それでも無言でただ邁進する
のみというなんとも苦々しいのが現状だ。

そんな中、ドラマとしては随分と展開の早さを感じる。
颯乙が朝日奈の事とまともには向き合わずに、門前払いのような
関係が続くのかと思ったが、早くも朝日奈が朝日奈ではない感じ
を相手に伝えられたし、彼を真っ直ぐ見つめていた彼女だから
こそ、朝日奈の中に彼の姿を見つけてしまった。

こうなると意外と朝日奈の中に良い人間性を見つけるのは早い
ハズで、今後のドラマは何を主柱としていくのか気になる所だ。

意外と颯乙との関係は早くに清算し、朝日奈の分身のような
雛との関係に時間が割かれていくのかなとも思う。

相変わらず志田未来が演じる雛の役どころは実に乾いている。
愛情を持たれずに育った人間の典型であるかのように、お金本位
の人間として育ってしまった現実は、金儲けのためならば何でも
やってきた朝日奈の様だし、そんな彼女に人間くさい朝日奈
の努力する姿勢を見せ続けることで改心させようとする腹だと
思う。ただなかなか一筋縄ではいかない展開が用意されているの
だろう。

金と見るや目の色が変わってしまった健造さんが何とも空しく
映る。金のあるところを見せると良い人間であっても卑しく
させるものなのだろうか。

guest
チョウ・テンショウ、本田よしみ、井上貴朗、内田強
渡辺寛二

評価：★★★★★★★☆☆☆ (7.0)