第3話 妹の恋のはじまり |
写真家の復帰を懇願する和樹は、番場大から復帰の条件として
「初恋」をテーマにした写真を撮ってこいと言われる。
題材を探していくウチに、美緒の初恋が10年前の病院の中に
有ったのを知り、初恋相手を探しに行く。
このドラマの兄が妹・美緒の為に色々とつくしていくウチに、
逆に自分には足りないモノを見つけていくといった展開は
良くできている。
妹の人生には不足するものが有ると思っている兄も実は、
自分の人生こそが足りないものだらけであると気がつく訳だ。
このドラマに出てくる男性陣は暑苦しい。そして女性陣は冷たい。
この真逆の寒暖の差が少しでもベクトルの方向性を変えるとき
急速に互いの間の壁が溶解し、急接近する事を予感させる展開で
ある。
取りあえず、美緒と結城秋生はその足音を覗かせている。
加納和樹と高木蓮子も語り合うウチに相手の心情に触れていく。
寒暖差と言えば美緒の強がり故の言動と、時折見せる本音の
部分もまた良い感じで表現されている。
今回の行動で言えば結城秋生に好きだと言うに言えない彼女
の態度だ。普段は相手の気持ちを無視してでも本音で生きてる
彼女も、恋愛だけには臆する部分が有る。そう思うとこれまで
の行動にも何処か愛嬌があるように思えてしまう。
また写真に対して真剣に向き合っていない彼の態度を抓る
展開は良かった。
妹のための行動だけど、自分のために好きな写真の事まで
信念を曲げて欲しくはないと思ってみたり、初心を忘れている
彼の行動に呆れつつも、感謝している心情が同居しているんじゃ
ないかな。
guest
柏原収史
評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)