第8話 さよなら、妹よ |
デートで互いの気持ちを確かめ合い、最高の雰囲気の中
初のデートが終わるハズだった。秋生の携帯電話に度重なる
病院からの不在者通知。秋生では蓮子が行った娘の容体が
急変していた。
罪作りな美緒という名の女性の存在。
兄は美緒によって写真家大成への道を諦めようとしている。
恋人は美緒によって大学病院・心臓外科医という医師のエリート
コースから踏み外そうとしている。
互いの"夢"と一人の女性を天秤にかけて、どちらを選択すべき
なのか酷な選択を迫る内容だった。
ドラマとして絶妙なのは、夢を諦める事は、自分だけでなく
美緒自身に後悔という形で振り返ってくることだ。
それが分かっているからこそ自分の夢についても諦めてはいけ
ないものが存在する。
関係が深まるほどにその不幸のスパイラルが加速してしまう
なんとも皮肉な感じが実に上手く演出されているのだ。
ドラマでは患者の容体が急変したが、寧ろドラマとしての態度が
急変した話しだと行っても良い。
これまでは思い出作りのために何としてでも恋人を作るよう
誘導していたわけだが、突然それを諦めるよう勧告した。
妹に恋人の存在を焚き付けるだけ焚き付けた兄の行動は無責任にも
思えるが、これまで嘘偽りなり妹のために行動してきた現実を
見ているために上手くオブラートに包まれている。残酷という
よりも無念という感じか。
美緒の出来ない事をやってやるのが兄としての行動だと言った
二階堂勝の発言は適切なもので、互いにふざけ有っているものの
いざというときには親身になって語り合う良い関係だね。
しかし今回は大半が美緒の惚気顔を見せられた感じなので、
その決断は可哀想だったね。
評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)