ハゲタカ -Road to Rebirth-

脚本/林宏司
出演/大森南朋、柴田恭兵、栗山千明、松田龍平、中尾彬
宇崎竜童、神山繁、志賀廣太郎、三谷昇、小市慢太郎
津村鷹志、中原丈雄、嶋田久作、佐戸井けん太、ティム
イアン・ムーア、太田緑・ロランス、大関真、杉内貴
永島暎子、椎名泰三、鈴木希依子、本田誠人、堀正哉
山口みよ子、森谷あかり、鈴木ひろみ、小林節子、ハルカ

http://www.nhk.or.jp/hagetaka/

第1話 日本を買い叩け!

日本経済のバブルは崩壊した。
銀行は多額の不良債権を抱え、その処理に待ったなしの状況
が訪れている。
三葉銀行は現在不良債権によって火の車であり、早急の対応策
が求められている。そこで銀行の役員会ではエリート社員の
芝野健夫に全ての指揮を任せることにする。芝野は先ずは
不良債権をまとめ売りするバルクセールを行う。取引先は外資
ファンドであるホライズン・インベストメントワークス。
そこの日本法人は鷲津政彦という男が指揮を執っていた。

バブル崩壊後の日本の銀行と企業の関係、そして債務処理に
やって来る外資ファンドの関係を描いた話し。

バブル時代はまだ学生だったことも有り、当然ながらピンと
来るものがない。何の恩恵もあずかっておらず、負の資産ばかり
を押しつけられる世代となってしまった。それ故の事なのか、
この手の話しで銀行の貸し渋りにあう企業の話しとか、その家族
の末路とか、なんとなく余所の世界の話しのようにも映り、
儲けを知らない世代としてはあまり同情することも出来ないと
いうなんとも冷淡な視線で見守る自分がいる。

今回は100年続いた老舗の民宿が、バブルであふれ出た金によ
って溺れ、綺麗サッパリ無くなるまでを描いた。

ドラマとして興味深いのは、鷲津政彦の経歴だ。
かつては三葉銀行の支店に勤めていた事があるという。
そんな彼が三葉銀行を相手に債権の買い取りを行う立場に
いる事。
イニシアチブは当然に外資の側に有り、銀行の思惑通りには
処理出来ずに買い叩かれてしまもどかしさ。今後このもどか
しさを逆転していく事がドラマを見ている人の期待にも繋がって
いくのだろう。

そして何と言ってもこの鷲津政彦という男。二つの死に際に、
それぞれ別の立場で遭遇している。
一つ目は銀行家だった時の彼。もう一方は債権者として外資
企業で働く時の彼だ。
一度目の時には亡くなった家族に同情していた彼も、二度目の
時には殆ど感情も示さない冷淡さで挑んでいる。
その間に起こったこととは何なのか。また気持ちの変化の推移
はどうだったのかなど気になる要素は満載だ。

冷淡に見える外資の人間たちの心情はどんなものなのか。

色んな人間模様が見られそうでドラマとしても深い物が存在
しそうな内容です。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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