第9話 仕事に愛情を持てますか?

弘子が担当している作家・夏目美芳の連載小説「54」が
単行本化されることになる。単行本化に当たり書籍部では
松方や小林と同期の千葉真が担当することになり、自分たちが
会社を動かしている感じが嬉しくなる弘子だった。

今回のテーマは仕事に対する「愛情」であり、「思い入れ」。
脚本を担当したのは松田裕子さん。第6話に続いて2度目だ。
そして夏目美芳が登場する話しは第4話に続いてこれまた2度目。

出版社の部署が違えば当然、色々と視点が変わってくる。
過去のデータを元に販売戦略を決めていくのが書籍部の
仕事ならば、感覚や感情的なものを取り入れていくのが編集部
の仕事なのだろう。

原作者と全くコンタクトの無いところで働く人の苦悩が伝わって
来る話しだが、大抵この手の話しは、横柄な原作者に対して
裏方で働いている人の苦労を伝え、自分一人では作品が完成でき
ない事を知らしめる意味で伝われるエピソードだと思う。

デジタル的な感覚を求められる書籍部と、アナログ的な感覚の
求められる編集部、二つの部署の面白い対比が描かれている。

互いの領域に踏み込んで互いの苦労や情熱を知ることで、更に
一歩会社を動かす人間としてのスキルがアップしたのでは無か
ろうか。

仕事にどれ程の見返りを求めるかというのは実に難しい問題。
割り切って仕事をするのも良し、愛情を以て仕事に打ち込むのも
良し。ただドラマのオチの中で語られたとおり、仕事を楽しい
ものとするには、それなりの愛情が必要なのかも知れない。

今回のドラマ、結果的には編集部の言っていることが正しかった。
何故なら増刷するくらい売れたわけで、それを見抜くことが出来
なかったという意味で書籍部の先見の明が無かったわけだ。

書籍部の社員をアンジャッシュの渡部健さんが演じていた。
演技はなかなか上手いし、俳優向けの顔をしているが、
お笑いの人が演じるとどうもテンションが下がる気がしてなら
ない。本当の意味で助演ならばそんなに気にならないのだろう
けど、今回は随分と扱いの大きい役だった。

guest
小西美帆、近江谷太朗、伊沢弘、八代貴晴、遠藤たつお
上原由恵、渡部健、櫻井勝、山田武彦、坂口瑶

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