母親を捨てた父親に復讐を果たすために彩香は北條に指定
された場所に尾上を訪ねていく。彼女は実父と寝た後に
事実を告白する事を企んでいた。

父親への復讐をメインに持ってくるかと思ったけど、
それをあっさりと投げ捨てて梨奈やその父親・北條へと
標的を鞍替えした。

ドラマとして上手いのは、北條らの汚さ故に、父親・尾上の
存在や理念がとても純粋に映るという点だ。

今まで思い描いていた憎むべき相手である父親像が全く違って
いたこと。
真実が明らかにされる時の彼女の涙、そして憎しみから親しみ
へと変わるとき、急に距離感が近くなるものの、実の娘であると
告白できない悲しみが実に上手く演出された話しだった。
ベッドの中にそっと忍び寄る姿がとてもいじらしい感じ。

対照的に描かれるのは北條家。
父親・北條と娘・梨奈は典型的な悪の血筋を引いているわけだが
面白い位置にいるのが娘婿の謙一だ。

良い奴なのかと思いきや、彩香に情報を渡すのと引き替えに
寝取ろうとするのだから、セコいというか人間が小さいというか。

更にドラマとして興味深いのは直人を巡るエリの動きだね。
完全に彩香と相対する関係にはなれないかも知れないが、
少なくともライバルとしての牙はむき出しそうだ。

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石井希和、常泉忠通、大塚和彦、外川貴博、境浩一朗
伴大介、木元康泰、松本江世

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)