第8話 先生とボクが泣いたお葬式の小さな奇跡

入試まで残り二ヶ月。
日曜日には最後の模試が行われる中、夜、広は祖父の夢を見る。
するとどういう訳か、翌日彼の元に祖父の訃報が届く。

広は成績が上昇していく中で、国語の読解力だけは伸び悩んでいた。
人の気持ちだけは私が教えることでは無いという先生。
一体どうすれば人の気持ち、本の主人公の気持ちを理解する事が
出来るのかを描いた話し。

少し分かりづらい話だった。
ただでさえ国語の成績を短期間で劇的に上げるのは難しい
だろうし、どうすれば人の中の感性・感受性を磨き上げられるの
かは説明の付かない事だと思う。

人間の生と死に直面し、祖父の気持ち、祖父に対する気持ち
に初めて触れた。この事によって人間の意識自体に変化は有るの
かも知れないが、それが国語の成績や読解力にプラスに働くのかは
正直よく分からない。

葬式は親が子供に対して最後に教える授業のようなものだと言わ
れるけれど、机に向かう授業ばかりが人間にとって大切なもの
では無いことを示したと思う。

先生は感受性が鋭く、余所様の祖父が亡くなっただけで涙する姿を
見れば、それだけ感情移入しやすい性格のもので、それだけに
物語の登場人物の気持ちを理解できるといった所だろう。

今まで本を読んでも涙することの無かった広が涙を流した事は
一つの殻を破ったのかも知れないが、これだけで感受性が豊かに
なったというのはちょっと都合が良すぎる気がしないでもない。

ただ祖父が夢で出てきた事が現実に起こるという展開は、なかなか
ミステリアスで面白かった。

guest
長門裕之、小林隆、松永玲子、俵木藤汰、福本伸一、宇納佑
伊藤幸純、川口節子、速水陽子、吉田敬子、桜井結花
河村照円、米本来輝、吉田翔

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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