第5話 運命を分けた死

鉄平・木村拓哉を支えてくれた妻の父親・西田敏行が亡くなる。
銀平は本当の息子のように接してくれたそんな義父を死に追い
やった原因でもあるリーク元を探すことを決意する。

銀行再編と鉄鋼周りの話しは殆ど触れられずに、万俵家と妾で
有る鈴木京香の関係を上手く抽出した話しであった。

鈴木京香の過去に触れることで、彼女が万俵家に拘る理由が
提示されたし、万俵家の主人以外とメンバーとの確執も
次々と明るみに出始めた。

ドラマとして良く描かれていたのは万俵家にとって大川の存在
は何だったのかという事を改めて考えさせる展開であり、
それと同時に妾で有る相子は、一家にとってどんな存在なのか
を上手く誘導している点だ。

愛人としての存在は自ら認めているものの、妾と呼ばれる事
への嫌悪感が複雑な状況を示していると思うが、今回、妾の
関係に於いて多岐川裕美の存在を抽出したことも実に興味
深く映る話しだったと思う。

このドラマを面白くしている要素の一つは、主要メンバーたち
の"血筋"であり、政界と経済界と金融界の癒着の構図に有る
のだが、政界に精通する人物が居なくなると見るや、すぐに
総理の息子である人間との縁談を結ぼうとする姑息な点と
そんな関係の中に一切の感情が入っていない様子が、財閥を
構成する歪な関係を如実に表しているし、今後家族内での
もめ事があった際に、関係を結びつけておくべきものが無い
事によって、収拾のつかない事態に発展するのではないかな
と思う。

偶然流れ弾が父親に擦っていく場面があったが、"撃たれる
やましい理由が有るのですか?"という鉄平の切り返しがまた
実に良かった。やしまさが有るからこそ、銃弾に怯えたの
だろう。この辺の駆け引きがもっと長引くと面白くなりそう
だったのに。

guest
宮川一朗太

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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